BLACK作

□混ぜて捏ねて愛を籠めて
1ページ/2ページ

食卓に置かれた丼、それと睨み合うこと既に二分近く経つ。

サスケ「どうした、ナルト?早く食え。」
ナルト「…開いた口が塞がらねーってのは、まさにこの事だってばよ…。」
サスケ「使い方が間違っているぞ。この場合は“頬っぺたが落ちそう”だろ。」
ナルト「いや、まだ食ってねーし。っつーかコレ、何?」
サスケ「一目瞭然、味噌ラーメンだ。お前が書いた大量の短冊の中から、“俺の手料理”と“味噌ラーメン”を合わせた、手作り味噌ラーメンだ。」

ナルトは箸を手に取り、太さがマチマチの麺を少し持ち上げる。

ナルト「これ、どう見ても味噌煮込みうどんだろ。」
サスケ「思ったより麺が太くなっちまったのは詫びる。武器以外の刃物は持ち慣れてないんだ、大目に見ろ。」
ナルト「いや、太さだけじゃねーっつーか…真っ直ぐなのもあンだけど…コシ?あれ…この麺、白いってばよ。」
サスケ「ラーメンが何故黄色いのか解らなかった。別に色が無くても味は変わらないだろ?」
ナルト「はぁっ?!なんだそりゃ!?っつーか、どうやって作った?!」
サスケ「勘だ。」
ナルト「………勘?」
サスケ「取り敢えず小麦粉に水と塩を加えて練ってみた。後は前に見た職人を真似して打った。」
ナルト「えー…。」

サスケの顔と丼の中身を交互に見比べる。
勘、と言い切りながらもこの完成度。
そのセンスの高さにだけは脱帽するが、ナルトにとってコレはラーメンでは無かった。

ナルト「…アレ、材料か?」
サスケ「あぁ。お前の帰りが思ったより早くてな。片付ける暇が無かった。」

台所を見たナルトは「よっ」と立ち上がると、調理痕を確認しようと歩を進める。
そして一つの包みを手に取ると、溜め息と共に納得の表情を浮かべる。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ