BLACK作

□風の鳥のさえずり
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病院に着いたサスケは上機嫌の看護士にナルトの病室を聞くと、一段飛ばしで階
段を昇って行った。
目的の階に着いて廊下を曲がると、何かを抱えたサクラと目が合った。

サクラ「げっ。」

そう言って180度回転したサクラの肩に、サスケの手が圧を掛ける。

サスケ「何故逃げる?それはなんだ?」

一応言い訳は考えたが、物証が有る以上言い逃れは出来ないと考えたサクラは、
深い溜め息と共に紙の束をサスケに見せる。

サクラ「空気の読めないガイ先生が、グラウンドにいた生徒に書かせたお見舞い
の手紙よ。さっき本人が届けに来たわ。」
サスケ「それを何処に持って行くんだ?」
サクラ「棄てるのよ。サスケ君に見つからないように、ってナルトに頼まれてた
んだけど、どうやら失敗ね。」
サスケ「棄てる?…見せろ。…何だこれは?ただの悪口じゃないか。」
サクラ「まぁ大体、全体の1割ってトコね。随分減ったんじゃない?それ青いヤ
ツよね?ピンクの方はもっと過激よ。」
サスケ「…これは…俺のせいか?」
サクラ「無記名ってのと封書にしたのが失敗ね。これなら何書いても判らないも
の。」
サスケ「こいつら…筆跡からでも…」
サクラ「ナルトが怒って無い相手に怒るのはナシよ。バレたら“また”口聞いて
もらえなくなるわよ。」
サスケ「…見なかった事にしてやる。早く処分してこい。」

そう言ってサクラと別れたサスケは、病室を見付けると名札を確認して中に入る

大部屋ではあったが窓辺の二床しか人はおらず、風に揺れる窓の音だけがカタカ
タと聞こえていた。
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