BLACK作

□時を越え、繋がる仲間。
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最近雨が増え、もうそろそろ梅雨入りかという頃、イルカは家で衣替えをしていた。

イルカ『おかしいな…こんなに奥にしまったかな…。』

耳にペンライトを挟み、押入れに全身を入れ、夏服を入れた衣装箱を探すイルカ。

イルカ『そうか…たしかサクラがフリーマーケットに出品するとかで無理矢理持って行ったんだ。あの後買いに行くつもりで忘れてたな…。』

そう言いながらも、多少は残っていないかと更に奥に入っていく。

イルカ『ん?これは…?』

一際年季の入った埃と共に、一つの箱を引きずり出す。

イルカ『アカデミー関連…か。懐かしいな…どれ…。』

その箱の中には、イルカ自身が新人の頃に受け持ったクラスの資料や記録が詰まっていた。

イルカ『この年は…やっぱり、まだネジ達が在籍してた頃だ…。懐かしいなぁ…。お、ビデオテープ?…アカデミー全校演習…。あぁ、オリエンテーリングの!…どれどれ…!』

テープを手に押入れから這い出ると、埃も払わずにデッキに向かう。

イルカ『ダメになってないかな…っと。よし!』

多少の雑音と共にチラチラと映像が流れる。
それはイルカが記録係を命じられた、遠い日の記憶であった。


エビス「では、出発前の挨拶を、三代目火影様、猿飛ヒルゼン様より賜ります。」
ヒルゼン「おほん!ま、長いのもなんじゃ、早く出発したかろう?儂からはこれだけ伝えておく。如何なる時も仲間と仲良く、そして常に木の葉の忍だという自覚と節度を持って行動する事。以上!」

各クラスの担任を先頭に列を作って歩いて行く。
着いた先は、アカデミーからそう遠くない演習場であった。
演習場の中でも随一の広さを誇るそこには、前もって教師達が用意したチェックポイントがあり、学年を縦割りにした特殊小隊でその全てを巡るというのが今回の演習の目的であった。
早い班、遅い班、リーダーシップを発揮する者、チームワークを乱す者、後のチーム編成に役立てる為に様々な個性を記録する。
ひとまず演習は無事に終了し、昼食と自由時間の休憩になった時、その事件は起きた。
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