BLACK作

□石田流三間飛車
1ページ/3ページ

遠呂智によって作り出された世界、十月末日…
悪鬼妖魔が村落を襲っていると聞き、遠征をしていた魏軍は遊撃隊を編成、救援を派遣した。
曹丕率いる遊撃隊は、速やか且つ難なく妖魔を撃退。
村人から感謝の酒を振る舞われている最中、少し遅れた援軍が到着する。


信玄「はっはっはっ。もう終わっとるか。風の如き武田の騎馬隊が戦場に間に合わんとは。」
幸村「お館様、あの軍旗は魏のものではありませんか?」
信玄「ほう。あれは曹丕殿じゃな。なるほど、援軍など端から不要だったと見える。」

曹丕「…ん?武田信玄か。妖魔の類いは既に退けたが?」
信玄「うむ。敗走兵を忍に追わせたよ。居城が掴めるかもしれんからな。」
幸村「此度は到着が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。」
曹丕「ふっ…そう畏まらずとも良い。別に援軍を要請した訳では無いのだしな。」
信玄「見たところ目立った被害も無さそうじゃし、その手腕、見事じゃな。」
曹丕「世辞はいらん。敵が無能だったまで。………時に信玄公。丁度良い機会だ。貴公に聞きたい事がある。」
信玄「ほほう。何かね?」
曹丕「貴公は城を持たず民と同じ目線で生活していると聞く。予てより一度、この目で見てみたいと思っていたのだが。」
信玄「ふむ…。ん、構わんよ。」
曹丕「そうか。感謝する。では兵達を都に帰してから、改めて伺うとしよう。」
信玄「それだと半月は掛かってしまうのぅ。兵は他の将に預けて、このまま儂らと一緒に来んかね?」
曹丕「何故だ?別に急ぐ理由もあるまい?」
信玄「いやしかし、儂らの土地はそちらより寒くての。」
曹丕「だからなんだと言っている。」
信玄「葡萄の時期、終わっちゃうよ?」
曹丕「む!?」
幸村「なんと、曹丕殿は葡萄が御好きでしたか。でしたら是非、上田にも御立ち寄り下さい。葡萄を砂糖で煮詰めた物など、御用意致しますぞ。」
曹丕「………解った。他の者に詳細を言い渡してくる。暫し待たれよ。」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ