書物

□6月9日
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6月9日

今日が君の誕生日だという事なんて僕は知らなかった。

それはつい先程のことだった。

僕は日常となっている学校の周辺を見回っていた時に、いつも骸に付き纏っている2人を見かけた。

「柿ピーはもう骸さんの誕生日プレゼント買ったんれすかー?」

「まだ買ってないよ。犬は買ったの?」

「もちろん買ったに決まってるビョン!!

柿ピーも早く買わないと誕生日パーティーに間に合わないれすよ」

そんな会話を聞いて何も思わないはずもなかった。

かといって、誕生日プレゼントなどという物をあげたことなんて今までに一度としてあげたことがなかった。

だから当然、この短い時間で一体何をあげたらいいのかなんて分かるはずもなかった。



ふと気が付いたら、自然と足が動いていた。

その時には既に、プレゼントの事なんて頭になかった。

走って走って走って…骸のいる黒曜ランドへ入ろうとした時に後ろから呼ばれ振り返ると、そこには骸が立っていた。

「それにプレゼントなら、あるじゃないですか!ここに…」

そう言って骸は雲雀を指差した。

「君、何言ってるか分かってるの?」

「はい!他の何よりも、僕は貴方が欲しいんです。そりではいけませんか?」

いきなり、真面目な質問をしてきたものだから流石の
雲雀も動揺してしまった。
それにいつもならこんな表情を見せない骸が淋しそうだったから…

「はい、プレゼント。これでいいんでしょ?」

少し照れながらもそう言って、骸に身体を近付けた。
「(ええええッ!そんなに可愛らしく近付いて来られたら理性が…)…」

何も言わずに骸は雲雀の事を抱きしめた。

―数分後―

「ねぇ、いつまでこうしてるつもり?いい加減苦しいんだけど」

「あっ、すいません。でも、こうしているだけで幸せでした。」

「突然そんな事言わないでよ。」

「でも、来年の誕生日も再来年もずっと永遠に僕と一緒にいて下さいね!」

「…うん///」

「(可愛い過ぎですよー///)あっ、そういえば誕生日5月5日ですよねっ!」

「そうだけど。誕生日教えて無いはずだよね」

「僕は貴方の事なら分からないことなんて何もありませんからっ!!
誕生日は取って置きのプレゼントを差し上げますから、期待していてくださいねっ!!」

「なんか大体分かる気がするんだけど…まあ、いいや」

「はぁー、早く5月5日になるといいですねー(にやけ顔)」

END
 

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