小噺・弐

□猛暑注意報
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→最高気温38℃という殺人的な猛暑日の港区ポートアイランド
巖戸台分寮内でも、見事に暑さに当てられた寮生達の姿があった…

主「あ゛ー、あっつい……>リーダーは余りの暑さに死にそうだ…アイスを与えれば元気が出るかもしれない……だから順平、ゴリゴリ君買って来てくれ」
伊「何テロップ風に都合のいいこと言っちゃってんの!?自分で買いに行けよ!」
主「馬鹿言うな。リーダーは儚い雪の妖精だから、太陽の光を浴びると皮と肉がただれ落ちて骨まで分解されるんだよ」
伊「そんなグロい雪の妖精イヤッッ!!」
岳「…リーダーの馬鹿話はともかく…確かに、こんな暑い日に外に出たくはないわー…」
山「長袖の服とか着てても、日焼けしちゃう位だもんね」
主「そうそう、女の子って大変なのよね〜……だから順平、ゴリゴリ君買って来て」
伊「お前の発言の思い切り良さにはビックリするなオイ!!誰が行くか!」
岳「いーじゃないのあんた男なんだから。日焼けとか気にしなくてすむでしょ」
伊「日焼けは気にしなくても暑いのは気にするだろ!こんな時に外歩いたら熱中症になるっつーの!」
主「何よー順平ってばだらしないわねー」
伊「うるせー!お前よかマシ……っつーかさっきからゆかりッチと混じって女言葉で話すのやめろよ!紛らわしい!!」
主「がっつり声変わりした男声での女言葉を聞いて、紛らわしいというのもどうかと思う」
伊「それはそうなんだけれども!」
岳「ちょっと順平、大声で怒鳴り散らさないでよ。余計暑苦しいじゃないの」
伊「俺ッチが悪いの!?元はと言えばこいつがアイス買って来いって人をパシリ扱いするからだろ!!」
主「パシリ扱いなんてしてない!正真正銘のパシリだと思ってる!」
伊「何だとーーーー!!!???」
山「ふ、二人とも落ち着いて……ほら、もしかしたら共用冷蔵庫に何か冷たいものがあるかもしれないし…」
主「あ、そうか。わざわざ行動の遅い順平をパシリに出さなくても、寮にあるものでしのげばいいんだった」
伊「お前覚えてろよ!いつか名誉毀損で訴えてやるんだから!!」
岳「はいはい、分かったからさっさとキッチン行ってきなさいよ」

→シッシッ、と半ば岳羽に追いやられる様に、ラウンジからキッチンへ移動する天月と伊織

伊「……何で俺ッチまで連いて来なきゃいけねんだよ」
主「諦めろ順平、俺たちは最早運命共同体なんだよ。例え離れ離れになっていても、心と身体が互いを求め合ってしまうんだよ」
伊「ヤメテ!ただのボケとツッコミの関係をそんなお耽美風に言わないで!その台詞にはもっとなんかこう…ふさわしい人達が居るだろ!?」
主「ふさわしい人達?ああ…今まさにこの扉一枚隔てた神聖なキッチンの中で、プロの料理人が見たらブチ切れて出刃包丁で利剣乱舞かましかねない様な破廉恥な事してる人達の事?」
伊「中に居るのかよ!?つーか何で分かるんだそんな事!」
主「ダテにあの世は見てねーぜ!!」
伊「その台詞は色々と前衛的でヤバい!!」
主「長年の荒真萌ライフで培った俺のエロスセンサーが、この先はエロいって言ってるんだよ」
伊「何だそのセンサー!いい加減な事言って、これ以上荒垣サンと真田サンの人望を無くす様な真似すんなって!」
主「大丈夫、元から1ミリも無いものは無くならない。それにもしこのまま何食わぬ顔でキッチンに入ったとしてだ……困るのは順平、お前だぞ」
伊「へ?俺ッチ?」
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