小噺・弐

□マッスル王子物語
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むかしむかしある所に、マッスル王子という王子様が居ました

名前はマッスルですが王子様自身は別にマッスルという訳ではなくスラッとしたスリムなモデル体型で、おもいっきり名前負けしてますねブフゥー!と年下に笑われた事があります
そんな自分の身体にコンプレックスでもあるのか、狂ったようにプロテインを飲んだくれる様を見てプロテイン王子と呼ぶ人もいましたが、王子様自身は俺のことはマッスルと呼べ!とあくまでマッスルのゴリ押しでした

哀しいですね

王子様の容姿は10人中10人が振り返る様なそらもうイケイケなメンメンだったのですが、王子様自身はやはりそんな細面にコンプレックスがあったのか、毎晩鏡を見てはアゴ割れろ!アゴ割れろ!俺のアゴよアント●オ猪木になれ!!と念じていました

面白いですね

そんな面白いマッスル王子には、物心ついた頃から一緒にいるツンデレ王子という幼馴染みがいます
王子と呼ぶのもはばかられる程老け…ゲフン!人生を達観した顔つきをしているツンデレ王子は、その見た目によらず世界レベルのツンデレでした
むしろこっちがマッスル王子じゃないの?と万人がツッこみたくなる程見事に鍛え抜かれた腹筋を、マッスル王子がうっとりしながら撫でさする度ムラムラしてますが、世界レベルのツンデレ故に素直になれず、得意のヘッドバットで(物理的にも意識的にも)沈めてばかりです

面倒臭いですね

端から見てもあんたらデキてるでしょ?ていうかデキてるでしょ?としか思えない程四六時中イチャイチャベタベタしているマッスル王子とツンデレ王子ですが、生憎僕たち男の子〜♪なのでお世継ぎは出来ません
マッスル王子のご両親は一人息子をそれはもう大層に可愛がっていたので、本人たちが幸せならまぁ別にね…そんな無理しなくてもね…と寛大に構えておられましたが、家臣を始め国民の皆は、将来国を収めるであろう王子様が幼馴染み相手にホ●に走った為後継ぎが出来ないとかそんなのシャレになりません
お前ふざけんなよと一発しばきたくなってきます(王子様なのに)
…あ、ちなみにツンデレ王子の方は実家がやけに子沢山で(しかも下から二番目位)割と放任主義に育てられていた為、そこらへんは結構自由に生きてました(王子様なのに)
国民の中には二人の仲を全力で応援する飲んだくれの管理人もいたりしますが、やはり王子様たるものきちんとお妃様をめとって貰わないと困ります

そこで家臣達は必死に王子様好みだと思われるゴリマッチョ系な女性を(主に格闘技ヘビー級から)探したりしましたが、どうにもこうにもピンと来ません
このままこの国は、あのアホ王子の時代で終わってしまうのか…と全国民が言いたい放題に嘆いている中、たまたまマッスル王子の国を訪れていた一人のお姫様が現れました
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