小噺・弐

□THE・ふたご座誕 2012〜
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*2012.8.11 荒垣誕
『荒垣ガンバレ!荒垣ガンバレ!荒垣ガンバレ!荒垣ガンバレ!!』

(※辛口アイちゃんに御注意下さい)

主「今日は何の日、毎日が記念日〜」
ア「8月11日はガンバレの日〜(※1936年にベルリンオリンピックの女子平泳ぎ200mで日本人選手が優勝した日であります)」
主「という訳で荒垣先輩頑張って下さい」
ア「頑張れであります」

荒「………」

→黙って寮玄関の扉をそっと閉じようとした荒垣だったが、アイギスに電光石火の如く(というか電光石火で)扉ごと吹っ飛ばされた上に即刻取り押さえられてしまった

主「もう五回目ですし…俺達の言わんとする事は分かってくれますよね先輩?」
荒「…逆に五回もやって何で何一つ学習しねぇんだと聞きてぇ…お前ら絶対人の誕生日を何か別のもんと勘違いしてるよな」
ア「申し訳ありません…荒垣さんがかかぁの腹からズルリと産まれた時の感動とか私達には分かり兼ねますしそんなもんマジでどうでもいいでありますので」
荒「正直過ぎにも程があらぁ!ならもう放っとけよ!!俺とアキの事は放置しとけよ!!」
主「さりげに真田先輩をセットで持ち出す所は流石分かってらっしゃる…けどそうは問屋がおろしポン酢!いち荒真サイトとして両先輩の誕生日に日付同時更新と何がしかプレゼンを行うのは義務…というかもうアイデンティティですから。ただ今回はちょっと諸々の…(乳首的な)諸々の事情があって準備が全然間に合わなかったので」
ア「ガンバレの日にちなんで荒垣さん本人に頑張って貰おうと思った次第であります」
荒「それ何もしてねぇのと同じだろうが!何が悲しくて自分の誕生日自分で祝わなきゃならねぇんだよ馬鹿!」
主「いやいや、俺たちもちゃんとちなんで応援はしますって。頑張れ荒垣!荒垣頑張れ!」
ア「せいぜい頑張るであります荒垣このクソヤロー!」
荒「どさくさに呼び捨てしてんじゃねーーー!!っつーか応援でもねぇ!!何なんだテメェら育てた覚えもないのに反抗期か!?」
主「やですねぇ、俺達それだけ荒垣先輩のことが大好きなんですよ」
荒「…お前は大好きな先輩を扉ごと張り飛ばして腕ひしぎで取り押さえんのか」
ア「愛と誠ゆえにであります」
荒「どっちも微塵も感じられねぇ!オラ、いい加減離しやがれ!!」
ア「あーれー」

→力ずくでアイギスの拘束を振り解き、ひと息吐いた荒垣

荒「…アイデンティティだか何だか知らねえが、祝ってくれるってんなら気持ちだけで十分だ。マジで、気持ちだけで。それか商品券」
主・ア「(ちゃっかり)」
荒「あと俺とアキの事も首突っ込むな。ぶっちゃけテメェらが何かすると7:3の割合で碌な結果にならねぇ」
主「7割成功なら上々じゃないですか」
荒「どんだけあつかましい読み方してんだ!普通逆だろ!!」
ア「そうですね天月さん。正確には8:2の割合で成功率20%であります」
荒「余計悪い!!」
主「いやいや、打率二割と考えたら相当優秀なバッターですよ」
荒「いつ野球の話をした!?」
ア「あ、真田さん」
荒「うるせぇ話反らすな!んなことより二度と…」

真「……んなこと?」

→背後から聞こえた声に荒垣がギョッとして振り返ると、ロードワーク帰りの真田が手にケーキ箱を下げて俯きがちに佇んでいた

主「おやまぁ真田先輩、ナイスタイミングでお帰りなさ〜い」
荒「お……おぅ、アキ、帰ってたのかよ…」
真「…ついさっき……シンジに、ケーキ、買って……一緒に食べようと思ってたんだが……」
荒「そ、そりゃありがてぇな」

→そこで一旦言葉を切り、ふっ、と口元だけで笑う真田

真「そうか…俺は“んなこと”か…」
荒「…は?…いや、別に今のはそういう意味じゃ…」
真「もういい!シンジのばかっ!他の奴らとケーキ食べてやる!美鶴と天田と順平と岳羽と山岸とアイギス誘ってみんなで楽しく食べてやる!」

→荒垣の言葉を遮る様にきっ、と上目遣いで睨み付け、ついでにうっすらと瞳も潤ませながら怒声を吐き捨て駆け出して行った

荒「ちょっ、おいアキ!待っ…〜〜〜…っ!(不覚にも上目遣いからの“ばかっ”に胸キュン中)」
ア「天月さん、エマージェンシーであります。ナチュラルに天月さんだけハブられていたであります」
主「コ、コロマルだって呼ばれてなかったやい!いやそうじゃなくて…荒垣先輩!今こそガンバレの日にちなんでの頑張り時ですよ!!ちょい!真田先輩の拗ね顔に萌え悶えてないで早く頑張れ!!」
荒「……あ?んだよ今更…もとはと言えばテメェらが…」
ア「細けぇことは気にするな!荒垣さん、頑張れであります!真田さんを追いかけるであります!」
荒「いや訳が分かんねー」
主「荒垣ガンバレ!荒垣ガンバレ!」
ア「荒垣ガンバレ!荒垣ガンバレ!」
主「荒垣ガンバレ!荒垣ガンバレ!」
ア「荒垣ガンバ…」
荒「うるせぇええええ!!わぁったよ!!追いかけりゃいいんだろ追いかけりゃ!!くそっ、何気にまた呼び捨てやがって…!オラァ!待ちやがれアキ!ちょっと今の顔もういっぺん見せろ!!」
ア「主旨が変わっていますがまぁ〜いい、であります」
主「ヒュ〜!さっすが荒垣先輩、愛の金メダリスト〜〜!!」
荒「いや意味が分からねーよ!!!!」

→その後、無事真田を捕まえた荒垣はケーキ諸共一晩かけてじっくり美味しく頂いたそうな…――

***

主「…ふ〜、よーし今年も何とか終わらせたぞ…本当にギリギリでヤバかった…」
ア「まさに駆け込み乗車、チカン、アカンでありましたね」
主「あ、そういえば荒垣先輩におめでとうって言うの忘れてたな」
ア「大丈夫、荒垣さんも言ってたであります。“気持ちだけで十分だ”と」
主「そうだね、気持ちは伝わったよね」
ア「はい!“心から祝う気なんて1ミリもねぇよとにかく何か面白い目に遭えそして真田とエロくなれ”という気持ちがガンガン伝わったであります!(にっこー!)」
主「………………荒垣先輩お誕生日おめでとうございまーす!!」
ア「焼け石に水」


END.


*このアイちゃんとっくに人間性芽生えてますよね
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