手に取ったのは……『太陽』のカード!

「………っ!」
良し!!!!とでも言いたげなガッツポーズを取り、勝利を噛み締める荒垣
「太陽を引きましたか…チッ」
何故か舌打ちの天月を余所に、コロマルとアイギスが荒垣の前にとことことやって来る
「おめでとうございます荒垣さん」
「ワンッ」
「お、おう…それで、本当にコロちゃ……コロを触れんのか?」
ふりふりと尻尾を振るコロマルを前に、既にそわそわと落ち着かない様子の荒垣
「はいであります。コロマルさんも『いつも美味い飯を食わせて貰っている礼だ。体中のありとあらゆるふわふわもこもこの毛、何なら尻尾まで撫でさせてやる』と言っておられます」
「し…しっぽまで…!?」
くはぁっ!、と悶絶寸前の荒垣を前に、コロマルはこてんと仰向けに寝転がり一番のふわもこ(略した)ポイント、胸元の毛を晒した
「ワッフン」
「『さぁ来い、好きなだけ撫でさすれ』と言ってるであります」
「コ、コ、コロちゃ……!」

普段滅多に見せないコロマルのあられもない姿に、荒垣の理性という鎖は既に限界を迎え、今にも千切れそうになっている
横たわった真っ白な肢体に息も荒く震える手を伸ばし、その絹の様に
滑らかな手触りを思う存分――

“ピピーー!”

「おーっと、ここでレッド〜!審判、レッドカードを出しましたー!」
「あぁ!?」
あと数ミリ、というところで止められた荒垣が不機嫌な面持ちで振り返ると、いつの間にかホイッスルをくわえた桐条が手に赤いカードを持っていた
「んだよ、桐条!今いいところなんだから邪魔すんじゃねぇ!」
「荒垣先輩、だからレッドですって」
天月がまぁまぁと宥めるように手をかざす
「いやだからレッドって何だよ!訳が分かんねぇだろうが!」
尚も噛みつく荒垣に、桐条が淡々と言ってのける
「荒垣、お前の形相が青少年育成法に引っ掛かる程不味い事になっている。よって退場だ」
「はあぁ!?」
本当に訳が分からない、と不満気な様子の荒垣に天月が追い討ちをかける
「さっきの先輩の顔マジでヤバかったですよ。ロサンゼルスに出没する変質猟奇的殺人犯みたいな顔してました。あと解説文も何かそれっぽい感じでしたし」
「な……!?」
そこまで!?と内心激しくショックを受けた荒垣
強面とは言われ続けていたが、変質的と言われたのは初めてだった
「ワンワン」
「『レッドが出たのなら仕方ない、次の機会まで持ち越しだ』と言っているであります」
「……!!!!」(Wショック)

ずーん…と沈んだ空気を纏い、見るからに落ち込んでいる荒垣
さすがに見かねた真田が背中越しに声を掛ける
「シンジ…元気出せ。また今度触らせてもらえばい…」
「アキ、ちょっとこっち来い」
「ん?」
言葉を遮り呼ばれた真田が、素直に荒垣の座るソファーへと近付いた時…
ガシッ、と腕を引かれ、荒垣の腕の中にすっぽりと収まる形となった
「シ…シンジ!?何だ!?」
そのままわっしわっしと頭を掻き撫ぜられ、困惑の表情を浮かべる
「もうこの際テメェで我慢してやる…あと三時間こうさせろ」
「な…何!?」
荒垣の突然の理不尽な要求に、ただ唖然とするしかない真田

それを遠巻きに見つめながら、他のメンバーは桐条家シェフ自慢の料理へと手を伸ばしていた…――

《これもある意味ハッピーエンド?》――太陽End.

*他の選択肢へはクリア等で戻ってからお選び下さい…

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