鋼の錬金術師/V
□番外編X/愛しき君へ
1ページ/1ページ
愛しき君へ
10年前の今日
君は、私の腕の中で消えた
そして、あれから10年後の今日
『君』は
約束を果たした私の腕の中にいる
愛しくて
愛しくて
私は何度も『君』の新しい名を呼ぶ
その度に答えてくれる『君』が嬉しくて
………本当に、嬉しくて
10年前とは違う涙が溢れた
そして、一言口にしたのは
「おかえり」
「……………ただいま」
その言葉が嬉しくて
嬉しくて
私は思わず、『彼』を抱き締め泣いた
ありがとう
ありがとう
私の元に帰って来てくれて
本当にありがとう―――
20090329