鋼の錬金術師/V

□番外編X/愛しき君へ
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   愛しき君へ

10年前の今日

君は、私の腕の中で消えた

そして、あれから10年後の今日

『君』は

約束を果たした私の腕の中にいる


愛しくて
愛しくて

私は何度も『君』の新しい名を呼ぶ

その度に答えてくれる『君』が嬉しくて

………本当に、嬉しくて

10年前とは違う涙が溢れた

そして、一言口にしたのは

「おかえり」

「……………ただいま」

その言葉が嬉しくて

嬉しくて

私は思わず、『彼』を抱き締め泣いた

ありがとう
ありがとう

私の元に帰って来てくれて

本当にありがとう―――


20090329

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