鋼の錬金術師/Y 20210223
□歪んだ世界
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やあ。俺はハボック。
階級は、少佐だ。
最近、かなり絶望的な事が有ったから聞いてくれ。
俺が密かに好意を寄せていた、笑顔が滅茶苦茶可愛いコが居たんだけどさ。
普段の笑顔も、可愛いんだろうな、と勝手に思ってたわけよ。
でな、マスタング大佐を見送った彼女に、俺、思いきって話し掛けてみたわけ。
でも、彼女、どんな表情したと思う?
大佐ん時の態度とは180°変わって『あ?なに?』と、不機嫌極まりない表情と声音。
何か、かなりショックだったよ。
その事をブレダに話したら、何て言ってたと思う?
『そりゃ、彼女にとって大佐は特別なんだから仕方ないんじゃねぇの?』と。
確かにそうかもしれないけどさー、
何か、腑に落ちない。
そんな俺に、ブレダは言ったんだ。
『誰かが誰かの【特別】である限り、理不尽と不平等とエコヒイキは無くならない』、と。
うん。
確かにそうかもしれないな。
俺にも心当たりあるし。
俺達が、暴走小豆(←誰の事が、もう分かるよな?(笑))と優しい弟を必要以上に甘やかしてしまうのは、やっぱり『特別』だから。
ただ、それだけ。
みんな、本当にそれだけだったんだ。
202+10*03