鋼の錬金術師/Y 20210223

□ピスタチオの正しい食べ方。
1ページ/1ページ

今日、俺は珍しい木の実を手にいれた。

その木の実は、殻付きピスタチオ。

試しに食べてみたらとても美味しくて、ロイにも食べて欲しいと思ってさ。

彼の家に遊びに行った時、持って行ったんだ。


初めて見たピスタチオに、ロイは興味津々。

「これ、マジで旨いから食ってみな」


そう言いながら、俺は広げたティッシュの上にざらざらっと出した。

そして、その横には殻入れ用のティッシュも広げた。



で。

持って来たDVDを出そうと視線をリュックに向けた瞬間。


――――がり。


ピスタチオを噛んだ音にしては、妙に音がデカイ。


ふと振り向いた俺が見たのは、ビミョーな表情をしているロイがボリボリと咀嚼しながら小首を傾げている。


「なあ、エド。これ、俺には口に合わないかも」

そうか?と、何気なく視線を殻入れ用のティッシュを見て、絶句。


殻入れ用のティッシュには、殻が無かったからだ。


俺はまさかと思って問う。

「なあ、まさかとは思うけど、もしかして殻剥かずに食った?」


「え!?コレ、殻剥いて食うモノだったのか!?」


もう、笑いのツボにどっぷり浸かってしまった。


「ああ、悪い悪い。こうやって、」


俺は、殻を剥いてロイに食べさせてみれば。


「旨いな、コレ(笑)」


ロイは、殻を剥き美味しそうにピスタチオを食べた。





――――あれから何年も経った今でも、ピスタチオを見ると思い出す。

この度に俺達は、この話題で笑い合う。



そう。


これからも、ずっと。





20181231


次の章へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ