鋼の錬金術師/X
□もしも、二期キンブリーさんが生きていたら。
1ページ/1ページ
実は今、俺は非常に困って居る。
なぜなら――――
「何故、逃げるのです?」
俺は、とても厄介な奴に付きまとわれているからだ。
白のタキシードにハットをかぶったアイツは、『誰も殺さない』『誰かの命を犠牲にしない』という信念を貫き通した俺を偉く気に入ったらしい。
錬金術を使えぬ上に、先の戦いで滅茶苦茶体力が消耗しているのを良いことに、隙あらば寄ってくるアイツから逃げるしかないのだ。
「だああ!しつこいんだよ、お前はっ!」
噛み付くように怒鳴り散らす俺に、奴は一瞬肩を竦めて見せると。
しれっと言葉を返された。
「私は、信念を貫き通す人間が好きなんですよ。何か問題でも?」
壁ドンされ、逃げ場を完全に封じられた俺の耳に、聞き覚えのある音が響く。
―――パチン!!
中尉の的確な指示で、ピンポイントで狙った焔は、奴のハットを一瞬で灰と化した。
「………何をしている。私のエドワードに手を出すとは、貴様、よほど炭になりたいようだな」
例え視力を奪われていても、所詮『焔の錬金術師』だ。
『焔』&『鷹の眼』と『紅蓮』の錬金術師同士の睨み合いに、俺はそろそろと逃げ出した。
そして数秒後。
彼等の錬金術によって司令部周辺が更に半壊したのは、言うまでもない……(^_^;)
20150928
P.S
サブタイトルは『エドワード争奪戦』だったり(笑)