鋼の錬金術師/X

□もしも、二期キンブリーさんが生きていたら。
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実は今、俺は非常に困って居る。


なぜなら――――




「何故、逃げるのです?」



俺は、とても厄介な奴に付きまとわれているからだ。


白のタキシードにハットをかぶったアイツは、『誰も殺さない』『誰かの命を犠牲にしない』という信念を貫き通した俺を偉く気に入ったらしい。



錬金術を使えぬ上に、先の戦いで滅茶苦茶体力が消耗しているのを良いことに、隙あらば寄ってくるアイツから逃げるしかないのだ。


「だああ!しつこいんだよ、お前はっ!」


噛み付くように怒鳴り散らす俺に、奴は一瞬肩を竦めて見せると。


しれっと言葉を返された。



「私は、信念を貫き通す人間が好きなんですよ。何か問題でも?」



壁ドンされ、逃げ場を完全に封じられた俺の耳に、聞き覚えのある音が響く。




―――パチン!!


中尉の的確な指示で、ピンポイントで狙った焔は、奴のハットを一瞬で灰と化した。



「………何をしている。私のエドワードに手を出すとは、貴様、よほど炭になりたいようだな」



例え視力を奪われていても、所詮『焔の錬金術師』だ。


『焔』&『鷹の眼』と『紅蓮』の錬金術師同士の睨み合いに、俺はそろそろと逃げ出した。



そして数秒後。


彼等の錬金術によって司令部周辺が更に半壊したのは、言うまでもない……(^_^;)





20150928


P.S

サブタイトルは『エドワード争奪戦』だったり(笑)
 

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