変わりゆくモノ

□戦場、足を踏みいれた少年
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『ウーーーーーーーー』


『なんだ?今更戦争じゃないよな?』


いきなりの非常警報にシンジは驚いた。
電車は静かに、止まり、動こうとはしなかった。


電車を降り、ジリジリと照りつける太陽の下シンジは歩き始めた。


『現在、東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました住民の方々は…………
ガチャッ………

ツー…ツー』



『電話もダメかぁ。
こんなとこで足止めだなんて、まいったなぁ、こんなときに待ち合わせなんて』

ポケットにしまっていた、手紙を取り出し、溜め息をつきながら、後2駅歩くことをシンジは渋々決意した。







『ゴゴゴーーーーー』




『戦闘機?
こんなに低く?
こりゃ、ホントに戦争かも…』




『シュパーーー』



『今度は巡航ミサイル!?』




シンジの真上を飛んだミサイルが、山よりも大きな、怪物にあたり爆発した。



『なんだよ………あれ?



『うっ………』

シンジの頭に激痛が襲う。あまりの痛さに、シンジは地面に膝をついてしまう。


『あれは………シト?』

『うわぁッ』


シンジが頭の痛みで地面に蹲っている間に、怪物は、シンジのもうすぐ近くまで迫ってきていた。








『キキーーーッ』


シンジがもうダメだと諦めかけた瞬間。
青い車がさっそうとシンジの前に現れた。

すると、中から、サングラスをかけた女性が、シンジに手をさしのべながら


『ごめぇん。
お待たせ!!
さぁ、シンジ君乗って!』

『葛城……さん?』

シンジはわけが分からずに女性に話しかけた。


『いいから、まずは急いで!!』


『ガチャッ』


シンジは車に駆け足で乗り込んだ。


『さぁ、行くわよぉん。
しっかりつかまってぇ。』
『キキー』


車は、一気に加速し、怪物をみるみるうちに突き放していった。


『ふぅ、なんとか、逃げ切ったわねぇ。

あっ、改めて、私は葛城ミサト。ヨロシクね!』



『あっ、はい。』


『あの、葛城さん…』


『あっ、呼び方ミサトでいいわよぉん。』


『あっ、はい。』


『ミサトさん、今のは一体?』


『今のは使徒よ。』


『やっぱりあれが使徒。』シンジは呟く。


『えっ、使徒をしってるの?お父さんからなにか聞いてたの?』


『えっ、あっ、いや、その、あっ、はい。』
シンジはしどろもどろになりながら、答えた。


『ふ〜ん、碇指令がねぇ。』
興味がなさそうに、ミサトは答える。



『そういえば、戦闘機シトから離れていきますね。』シンジは必死に話を変えようと、山の方向をみて、ミサトに話しかけた。




『えっ、マジ!?
まさか、N2地雷を使うつもり!?』

『シンジ君伏せて!!』








『ズゴォォォォォン!!』







爆発の爆風で、車が横転を2回、3回と繰り返した。



『シンジ君大丈夫?』




『口の中がシャリシャリします。』



『それはケッコウ。』


『それじゃあ、いくわよぉ。』




二人は会話しながら、横転した車を元に戻す。



『ガコン。』



『ふぅ〜。』
『二人とも無傷だっただけラッキーだわねぇ。(ハァ、後ローン33回も残ってるのに。しかも、この服高かったのよねぇ……………)


笑顔とは裏腹に現実に頭を悩まされる、ミサトだった。



そして、車は再び目的地へと走り出す。








しかし、少年はしらなかった。自分が徐々に戦場へ足を踏みいれていることに……

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