銀魂・原作
□一発逆転!
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「触るな!すぐに離せ」
「え?…しかし」
「…俺の…、知り合いだ」
「は、はい!失礼しました!」
恋人の俺ですら触れられないでいるのに触ってんじゃねぇよ!
銀時は知り合いなんかじゃねぇ!俺の恋人だ。
つーか…
「こんな所で何してんだよ?」
乱れた着流しを直しながら銀時は俺を睨み付けてくる。
「…何だよ、俺がここにいちゃいけねぇのか?」
「あ、…いや」
部外者は普通立ち入り禁止だろう。
そう言おうとしたが、言えば銀時はすぐに帰ってしまいそうだから、言葉を飲み込んだ。
「…」
「…」
薄暗い中、向かい合ったまま暫しの沈黙が訪れる。
宴会の騒がしい声が遠くから聞こえるだけ…。
銀時はというと、視線をさまよわせたり頭をボリボリ掻いたり落ち着きない。
ホントに何しに来やがったんだ?…いや俺は、銀時に逢えて嬉しいが…。
コイツが1人でここに来るなんて、何かあったに違いない。
聞き出すより銀時が喋るまで根気よく待つ方が良いな。
「…」
「…」
「…」
「…あー!…、うッ」
「銀時?」
突然沈黙を破ったと思った矢先、ドスンと俺の胸に衝撃が襲った。
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