銀魂・原作

□確信犯
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気が付いて2、3日も経てば、俺は起き上がれるようになった。

背中とか至る所が痛いけどもう平気だ。

それでも両足ギプスだし まだ歩けないからしばらくは入院しなきゃいけないらしいけど。

まぁ、それは仕方ないな。



「万事屋…」

「あ、土方」



土方は毎日お見舞いに来てくれる。土産の甘味を持って!

沖田くんも来るけど、沖田くんは土方が来る前に来てすぐ帰るんだよね〜、なんか会うと うるせぇからとか言って、もっと仲良くすれば良いのに。

まぁケンカするほどなんとかとかいうやつだろうけど。



「万事屋、土産もって来たぞ」

「やったー今日はなになに?」



俺がガサゴソと持ってきてくれた土産を漁っていたら急にハァーと溜息をこぼす土方。



「どうしたの?土方」

「また総悟が来てやがったのか?」

「うん、今日はプリン持って来てたよ」

「だろうな」



土方は俺が食べ終わったプリンの容器を片付けながら言う。

あ、かたづけるの忘れてた。



「総悟が来たら追い返せつってるだろ?」

「え〜!そういうわけにはいかないだろ〜?せっかく来てくれてるんだから」

「あいつは仕事サボって来てんだよ」

「あ〜!それはちゃんと言ってるから大丈夫だよ」



コラ!沖田くん仕事サボっちゃいけません!ってね。て言うと土方は、ガキじゃねぇんだから とまた溜息をこぼした。



「あ」

「あ?」



土方が持って来た土産を出すとそれは沖田くんが持って来たプリンと全く同じプリンだった。



「…オメェら同じの持って来るなんてどんだけ仲良しなんだよ!せめて味違いとか持ってこいよ」

「…じゃあ食うなッ!」

「う、うそうそ!これすげーうまかったからもっと食いたいと思ってたんだ〜!!さっき神楽に取られて2個しか食えなかったし〜うれし〜ラッキー」



取られそうになったプリンを必死に隠してたら呆れた顔をする土方。

なんだよ、ホントに嬉しいんだよ。

お前が持ってきたのだから更においしそうだし、嬉しいんだよ。



「ハァ…まぁいいや、それより万事屋もう消灯時間ださっさと着替えるぞ。そしてそれは明日食え」

「えー!!」

「今日2個食ったんなら充分だろ?」

「あっ!」



結局プリンは取られてしまい冷蔵庫にしまわれてしまった。



「む〜」

「…そんな顔してもダメだ!ほら着替えろ」

「へいへい!わかりましたよ〜」



土方は普通ナースがやるような事もしてくれるんだ。着替えも、体を拭いてくれたり、厠とかも‥

責任感じてるだけ、だよな?

憎まれ口しか言えない俺だけど、それでも俺は、土方が俺の傍にいる事が嬉しいと思ってる‥。

なんて……変だな、俺…。



「じゃあ銀さん、僕達は帰りますね。土方さん後はよろしくお願いします」

「ああ」

「おぅ!気ぃ付けて帰れよ。新八、神楽!」

「下に山崎 待たせてるから送らせろ」

「はい、いつもありがとうございます」

「銀ちゃんまた明日ネ!マヨラー、銀ちゃん泣かすんじゃねぇヨ」



神楽の捨て台詞に苦笑いし、2人を見送った。

土方は俺だけじゃなく子供達の面倒も見てくれるんだ。昼間は仕事で、万事屋の様子をみて、夜は毎日俺の所に来て、本当に良い奴‥。

ここまで良くして貰ったら逆に申し訳ねぇ。







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