銀魂・原作
□確信犯
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今日もいつものように人より遅めに起きて、いつものように新八に仕事を探せと小言を言われたから いつものように万事屋を抜け出した。
いつもの通りを歩いてたら いつものように黒い集団が前から歩いてくる。
その中のひときわ目つきが悪い奴と目が合ったら睨まれてそらされる。
それもいつもの事だ。
それがなーんか気に入らない、ちょっとからかってやろうかな〜!
俺もそっぽを向いてすれ違いざまそいつにドンと肩をぶつけた。
「いって〜!」
「あぁ?」
「いてーよ!肩が折れたよーどうしてくれんだよ〜!」
「はぁ?嘘つけよ!」
「脱臼したー」
「嘘つけッ!さっき折れたつったろうが!」
「慰謝料よこせや!」
「誰がやるかーッ!どこのチンピラだよオメェは!」
いつものようにからかって言い合いが始まったら一緒にいた隊士等が「先に行ってますよ!」と呆れたように去っていった。
「あ、おい!」
「土方くんサボってねぇで仕事しろよ〜」
「はぁ?オメェが邪魔してんだろーが!」
なんやかんや言っても人を無視できない性分なんだろうな、だからつい俺もからかってしまう。
「ハァ…オメェいつも突っかかってきてんじゃねーよ!」
「突っかかってません〜!バカにしてるんです〜!」
「余計悪りぃわッ!!」
ひととおりからかって満足したから俺も じゃあね〜土方くん!と隊士等が行った反対方向に進んで行こうとすると、おい!と呼び止められた。
「ん?」
振り返った瞬間 土方の手が俺の方に伸びてきて 一瞬身構えたけどそれは俺の首元にいき、襟を掴まれてひっぱられた。
「な、なに?」
「襟、まがってたんだよ」
「は?」
「そういうの気になるんだよ、身だしなみぐれぇちゃんとしとけ!」
「…え〜、おまえケンカしながらそんなとこ気にしてたの〜?いやらし〜」
「…オメェ、ホント嫌な野郎だな」
土方はチッと舌打ちをすると 俺はオメェみたいに暇じゃねぇんだよじゃあなと去って行った。
なんだよびっくりしたな〜!
さっきまで言い合いしてた奴にそんな気を使うのか?
土方の指先が一瞬触れた首が熱を持ったように熱くなって感じる。
首元をおさえながら俺も先に進んだ。
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