銀魂・原作

□誰の手に?
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みんなの様子がおかしい?

そう思ったのは、街がなにやらきらびやかに色づき始めたころだった。

いや、俺のまわりにおかしくないやつなんていないけど、なんか異様にいつも以上に絡んでくる。





そんな11月も今日で最後という日の事。



俺がジャンプでも買いに行こうかと万事屋を出た時…。



「あ、銀さん待って下さい!コンビニに行くんですか?それなら僕も行っても良いですか?」

「おう、いいけどなにも買わねぇぞ?」

「いいですよ、僕はただ銀さんとお出かけしたいだけですから」

「?…まぁいいならいいけど」



なんか最近こいつ、新八も必要以上に俺にくっついて来たがるんだよね。

なんかあったんかな?

親父が恋しくなったとか?

聞いても、銀さんと一緒にいたいだけです。としか言わねぇし、わけわかんね〜。




「銀時!」

「ん?…あ、ヅラ、なんだよ?」

「ヅラじゃない桂だ。エリザベスを助けた礼がまだだったな、今からパフェをご馳走してやるぞ」

「桂さん見てわかりませんか?僕達今から一緒にお出かけするんです。それにパフェならもういただきました」



ヅラのあまりにも唐突な言い方に俺が反論する間もなく素早く答える新八。

つーか、お出かけって…。

ただコンビニ行くだけでしょ。



「…なんだ新八くんなんか文句あるのかな?」

「ありまくりですよッ!最初に約束したのは僕なんですからね」

「順番なんて関係ないぞ眼鏡くん」

「勝負しますか?」

「望む所だ」



おいおい、なんか物騒な事になってきたぞ?

俺を巻き込むんじゃねぇぞ?

決闘なら勝手にやってくれ!俺のいない所で。




「…久しぶりだな銀時ィ」

「…高杉?」



なんでこんなとこに?と、言う間もなく高杉は俺の腕を掴み引っ張った。



「ついて来い」

「え?…ちょっ」

「「ちょっと待ったァーッ!」」



と、なにか勝負してたはずのヅラと新八。



「なんだヅラァ邪魔だ退け」

「退かん、銀時は俺とパフェ巡りに行くのだ」

「違います僕とお出かけするんです」

「…やるか?」

「「勝負だ!」」



おいおいなんなんだよ、高杉まで巻き込みやがって、新八大丈夫?勝ち目ないんじゃねぇの?

あのふたり相手じゃ。




「あれ?旦那?」

「あ、沖田くん」




今日は非番なのか袴姿の沖田くんがやって来た。



「何やってるんですかィ?こんなとこで」

「…さぁ?」

「あれ?あそこにいるのは高杉と桂じゃ…?」



げっ

そういえばこの子も警察の人間だったね。

フォロー入れてやるから後でなんか高いもん奢らせよ。



「人違いじゃね?」



って、言ったはいいけど目を細めじっとふたりを見つめる沖田くん。

や、やっぱり無理だったか〜?

あんな怪しい奴ら他にいないもんね。



「そうですね。指名手配犯がこんなとこにいるわけないでさァ」



あれ?ばれてない?

もしかして面倒くさくなったか?

休みだから関係ないってか?



「ところで旦那、お暇ならちょいと付き合ってくだせぇよ」

「え、…どこに?」

「天国に連れて行きまさァ」

「はいィィ?」

「「「ちょっと待ったァァ」」」



黒い笑みを浮かべた沖田くんに腕を引かれ連れて行かれそうになったら、またまた なにか勝負してたはずのお三方に引き止められた。

まぁ、今の場合はありがとう。

俺もちょっと怖かったよ。



「なんでい指名手配犯が3人、逮捕しやすぜ」

「ちょっと沖田さん!僕は違いますからね」



つーか沖田くんやっぱわかってたんじゃん。

なんかまた3人が突っ掛かってるし、また勝負だとかなんとか言ってるし。

勝負でもなんでもしてもいいからお願いだから俺にだけは迷惑かけないでくれ。

…あ、沖田くんも行っちゃった。





「銀さん見つけた」

「…あ、長谷川さん」

「俺の新しいマイホームに招待しようと思って探してたんだよ」

「…どんな段ボールホームだよ」

「違うよちゃんとした小屋だよ」

「どんな犬小屋だよ」

「とにかくいいから着いて来いよ」



と、段ボールに身を包んだ長谷川さんに腕を引かれる。



「ちょっと待てマダオォ(多数)」



やっぱり来た。

新八が銀さんと1日過ごしたかったら僕たちと勝負ですよ!と言って、長谷川さんはみんなに引きずられ勝負とやらに巻き込まれていった。

ハァ…。

もう帰っていい?

勝手にやってよ。




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