セネクロりたいかぁ!?
□姫はじめ(セネクロ)
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「…なぁクロエ」
「何だ?」
「姫初めってなんだ?」
がしゃん!
クロエの手から洗ったばかりの皿がシンクに落ちて割れた。
「だ、だ、誰から聞いたんだっそんなことーーー!?」
「ノーマ」
瞬間、クロエから怒りのオーラが立ち昇る。
な、なんだか凄く怒ってるんですケド…(思わずマオ口調)
「そ、そんなに怒るようなコトなのか?」
「当たり前だッ!姫初めっていったら…ッ!」
「なに?」
「………なんでもない」
「なんだよ?」
「なんでもない」
「なあ?」
「聞くな」
「クロエ〜」
「くどい」
えらく嫌がってるな・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ。
もしかして・・・・・・・・・
「・・・はっは〜ん」
にやりと笑ったオレの顔を見たクロエが心底嫌そうな顔をする
。
「―――セネル。また何か余計なことを考えているだろう?」
「ん?何の話だ?」
「とぼけるな。おまえがそういう顔をする時はいつもロクなことを考えていないんだ」
「そういう顔って・・・どんなだよ」
「今の顔だ」
「これは普通の顔だ」
「なら、いつもの顔がそうなんだろ」
「・・・おまえな・・・」
クロエは聞かれたくないことを聞くといつもこうだ。
・・・でも確かにオレの考えが当たってるなら・・・やっぱり聞かれたくないんだろうな。
どうしてって、それはつまり・・・
「クロエ」
「・・・今度は何―――っんぅ!?」
不意を突いて口付けて、抱き締める。
「っっふ、い、いきなりそういうことをするなといつも言ってるだろう!!!」
真っ赤な顔で怒るクロエの耳元でそっと囁く。
「―――姫初め・・・しよっか」
「な―――/////」
赤い顔が更に赤くなる。
・・・やっぱりアタリかv
「お、お、お、おまえっ姫初めの意味を知らなかったんじゃなかったのかっ!??」
「知らないぞ」
「・・・・・・へ・・・?」
にっこりと微笑んで
「勘で言ってみたんだけど当たったみたいだなv」
「〜〜〜〜!!!!!!」
―――そう。
姫初めとは・・・要するに
恋人同士のそういう行為なワケで。
「どうして『姫初め』なんていうのかはまだわからないんだケド?」
「きっ、聞くな!!」
顔を伏せてオレを見ようとしない。
きっとささやかな抵抗なんだろうけれど。
「ま、別にいいか―――どうせそのつもりだったし?」
「ッなっ・・・/////」
その言葉に思わず顔を上げるクロエ。
おーおー、予想通りの反応だねえv
素早く顎を掴んで今度は深く口付ける。
「っんふ、んんっ・・・/////」
抱き締められているせいで抵抗も出来ずされるがままのクロエ。
薄目を開けて見れば赤い顔と閉じられた瞳の長い睫毛が綺麗で
・・・
「・・・ホント、堪らなくなる・・・」
「っふ、な、何がだ・・・?」
きょとんとするクロエの顔が可笑しくて。
にっこり笑って触れるだけのキスをして。
「・・・クロエ」
「っ/////い、嫌だって言っても・・・止める気なんて・・・・・・無いんだ、ろう・・・?」
「心底嫌なら止めるけど?」
「〜〜〜っうぅ・・・/////」
もちろん嘘。
『クロエが欲しい』と思った時点でもう止められないところまできてるから。
「・・・・・・なあ?」
「うぅ・・・/////」
頷くことさえ恥ずかしいと思っているのはクロエがオレをそれだけ好きだということで。
素直になれない彼女はもどかしくもあり、ひどく可愛くもあって。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あー・・・もう駄目。
ひょいっ
オレはクロエを俗に言うお姫様抱っこして。
「っ!??ちょ・・・クーリッジ!?」
「オレが限界。二階行こ」
「な!!!???ば、馬鹿/////おろせ!!!」
じたばたもがくクロエ。
こういうところまで可愛いと思うあたりオレは相当クロエに溺れてる。
「止める気なんて無いって自分で言ったんじゃないか」
「おまえの考えを代弁しただけだろう!私はそういう気分じゃないっ!」
いや・・・おまえはいつもそうだろ。
「クロエがどうだってオレは欲しいと思ってるから駄目」
「っっっ/////」
―――クロエの傍に居られて、触れられること、愛せることがどれだけオレを幸福にしているか、彼女に知って欲しいから…
fin
○あとがき
実はこのお話は裏用に書いてたものだったんですが突然のパソコン(セネル)の故障によって全文吹っ飛んでしまったものなんです(´・ω・`)
それをたまたま故障前に携帯に転送してたのを思い出しまして今回使ってみました♪