お題小説2

□お題小説2


桜舞う4月。学生は進級をし、社会人は新入りとして社会に入る月。

絵理奈)ここがモノクロ学園…。

そしてあたし、絵理奈は今年の4月からこのモノクロ学園に入学する新入生の1人です。
モノクロ学園は小中高一貫校なので小学生から入学した方は高校生になるまでモノクロ学園にいる事が多いだそうです。
そしてモノクロ学園には普通の学校と違う所があります。
それは"モノクロ学園に居る方々、教師に生徒のほとんどは能力を持っている"という所です。能力を持っていない生徒もいます。
その事は学園中の人はもちろんの事、お国も認識済みなんです。その上に校内であれば武器の持ち込みまでも許可されています。


絵理奈)玄関は…こっちですね。

あたしは今年の4月から中学生になると同時にモノクロ学園に入学する事になりました。
入学をすると言う事になったと言う事はもちろん小学校は違う所だったんですけど、
あたしは能力を持っている故に馴染めませんでした。
それを見るに見かねた お兄ちゃんがモノクロ学園に入学をする事を提案し、話し合った結果、
あたしは入学をする事を承諾しました。


絵理奈)…って、ここは何処(いずこ)ですか…?

色々考えていた所為(せい)か、道に迷ってしまったみたいです。気付くと見ず知らずの場所に。
見学に1度、お訪ねをした事がありますが、全ての場所や道を把握しきっていないんです。


絵理奈)ど…どうしましょう…。

周りを見る限り人1人通りませんし、人の気配がないです。
教室に居ないといけない時間が決まっている為、あま悠長にしていられません。
ですが、無闇に動くわけにもいきません。
本当にどうしましょう……。


祀翠)どうかしたのかい?

途方に暮れていた所で声を掛けられました。

絵理奈)あ、あのここは何処(いずこ)なんでしょうか…?

祀翠)もしかして…道に迷っちゃった、かな?

絵理奈)その通りです。情けない事に。

本当に。

祀翠)そんな事ないよ。んー…、どこに行こうとしてたのかな?

絵理奈)中等部1年の所に行こうとしていました。

祀翠)中等部1年の場所だったら真逆の方向だよ。

絵理奈)えぇっ!?

進んでいた道と真逆だったなんて……

絵理奈)(は…恥ずかしいです…!)

あまりの恥ずかしさで俯きました。
そしたらクスクス、という小さな笑い声が聞こえました。


祀翠)大丈夫だよ。このモノクロ学園は広いからね、道に迷う人は多いんだよ。

絵理奈)左様ですか。

祀翠)で、中等部1年の所に行く途中だったんだよね?なんなら僕が連れて行ってあげようか?

絵理奈)えっ。

緑色の髪で黄色の瞳をした男性の方は優しそうな笑顔をして、そう仰いました。

絵理奈)えっ…と…

わざわざ手間をかけるような事は控えたいです。
…ですけど、このままだと中等部1年の所に辿り着くのは、いつまでかかるのかわかりませんし…。


絵理奈)ご迷惑でなければお願いします。

考えた結果、お願いする事にしました。

祀翠)喜んで。

快く承諾してくれました。
こうして中等部1年の所まで連れていってもらう事になりました。

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