お題小説

□お題小説
18ページ/20ページ


今は随分昔の事を思い出した……





今は昔、阿修羅として私が存在していた頃だ。
私は南の国である紗羅(しゃら)国の王と王妃の間に(せい)を受けたのが阿修羅()だ。
父上と母上の間の子は私だけだった、その為に必然的に私が紗羅(しゃら)国を治める姫となった。
私は幼き頃から戦いの仕方を学んだ。(この)んでいなかった戦いの仕方を覚えた…。
戦いは嫌いだ。無関係の者を巻き込む、犠牲の者を出す。


住人)阿修羅姫様、お散歩かい?

阿修羅)あぁ、少し近くの湖までな。

子供)阿修羅姫様!これあげる!

子供の小さな容器の中に入っていたのは私の好きな食物、苺が入っていた。

阿修羅)貰っていいのか?

子供)うん。お母さんが阿修羅姫様にあげてきて、って。

阿修羅)そうか…。ありがとう。

紗羅(しゃら)国の民はとても優しいと私は思う。一国を治める姫である私に親しくしてくれる紗羅(しゃら)国の民が大好きだった。
大好きだった民の為に私はこの国…紗羅(しゃら)国を守る為に幾度となく戦った。
いくつ者の人間の血を浴びてきた。その所為(せい)か、他国には『血まみれ阿修羅』で知れ渡った。


阿修羅《………》

いくつ者の人間を殺めた罰か、私が宿った者は必ず"血"と関係した人生を歩む。
死に方なんてろくなものではない。
私は私が宿った者が息絶えるその時までその者の中に宿り続ける。…その者の死に際も見る事になる。


阿修羅《……………》

絵理奈が笑っている所を見ている度に私は辛くなる…。
私が絵理奈に宿ったばかりに絵理奈は不幸を味わっている。
絵理奈は私の事を慕ってくれる。私が大好きで止まなかった紗羅(しゃら)国の民のように…。


阿修羅《絵理奈…》

絵理奈《はい、何でしょうか?阿修羅様》

阿修羅《絵理奈は、私と巡り会えて…よかったと思うか?》

絵理奈《はい!阿修羅様とお会い出来てよかったと思います》

明るい笑顔そう言う絵理奈。
喜ばしい限りの事なのだが、それと同等に辛いと感じてしまう……。




あとがきです。

今回のお題は"血"です。

皆さん、お久しぶりです!

更新をお待ちしていた方々、長らくお待たせしました!

今回は、お題小説で初めてご登場の阿修羅姫を書きました。

今の所、阿修羅姫がご登場している小説は家庭教師ヒットマンリボーン!だけですね。

更新が久しぶりの上に短い…。

す、すいません…。

次回は頑張りますので。

2010.02.03
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ