お題小説
□お題小説
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今は随分昔の事を思い出した……
血
今は昔、阿修羅として私が存在していた頃だ。
私は南の国である紗羅国の王と王妃の間に生を受けたのが阿修羅だ。
父上と母上の間の子は私だけだった、その為に必然的に私が紗羅国を治める姫となった。
私は幼き頃から戦いの仕方を学んだ。好んでいなかった戦いの仕方を覚えた…。
戦いは嫌いだ。無関係の者を巻き込む、犠牲の者を出す。
住人)阿修羅姫様、お散歩かい?
阿修羅)あぁ、少し近くの湖までな。
子供)阿修羅姫様!これあげる!
子供の小さな容器の中に入っていたのは私の好きな食物、苺が入っていた。
阿修羅)貰っていいのか?
子供)うん。お母さんが阿修羅姫様にあげてきて、って。
阿修羅)そうか…。ありがとう。
紗羅国の民はとても優しいと私は思う。一国を治める姫である私に親しくしてくれる紗羅国の民が大好きだった。
大好きだった民の為に私はこの国…紗羅国を守る為に幾度となく戦った。
いくつ者の人間の血を浴びてきた。その所為か、他国には『血まみれ阿修羅』で知れ渡った。
阿修羅《………》
いくつ者の人間を殺めた罰か、私が宿った者は必ず"血"と関係した人生を歩む。
死に方なんてろくなものではない。
私は私が宿った者が息絶えるその時までその者の中に宿り続ける。…その者の死に際も見る事になる。
阿修羅《……………》
絵理奈が笑っている所を見ている度に私は辛くなる…。
私が絵理奈に宿ったばかりに絵理奈は不幸を味わっている。
絵理奈は私の事を慕ってくれる。私が大好きで止まなかった紗羅国の民のように…。
阿修羅《絵理奈…》
絵理奈《はい、何でしょうか?阿修羅様》
阿修羅《絵理奈は、私と巡り会えて…よかったと思うか?》
絵理奈《はい!阿修羅様とお会い出来てよかったと思います》
明るい笑顔そう言う絵理奈。
喜ばしい限りの事なのだが、それと同等に辛いと感じてしまう……。
あとがきです。
今回のお題は"血"です。
皆さん、お久しぶりです!
更新をお待ちしていた方々、長らくお待たせしました!
今回は、お題小説で初めてご登場の阿修羅姫を書きました。
今の所、阿修羅姫がご登場している小説は家庭教師ヒットマンリボーン!だけですね。
更新が久しぶりの上に短い…。
す、すいません…。
次回は頑張りますので。
2010.02.03