お題小説

□お題小説
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時間は常に動き続けている。
止まることなく……。

時間



ここは、とある列車の中。
列車内には、いつものメンバーが居る。


リュウタロス)あー!モモタロス、踏まないでよ!!

モモタロス)床に書いた絵を置くなって毎回言ってるだろ!!

いつものメンバーで、いつも通り列車内は賑やかだ。

良太郎)絵理奈ちゃん、それって何?

椅子に座ったまま静かにしている絵理奈に話し掛ける良太郎。
良太郎が言うっている事は、絵理奈が手に持っている物だ。


絵理奈)懐中時計です。結構古い品物ですけどね。

絵理奈が持っていた物は、懐中時計だ。
蓋を開ければ、時計ならではの秒針の動く音が聞こえる。


モモタロス)何で、んなモン持ってたんだよ。

いつの間にか話に入ってきたモモタロスが絵理奈に訊く。

絵理奈)時間をわかるようにする為です。

時計の役割は、ただ1つ。時間を示す事だ。

モモタロス)時の列車(ここ)に居たら狂うだろ。

絵理奈達がいる列車は、異空間であり、普段走っている所は、一面が荒野である。
そして時間の狭間にいる時があり、時計を持っていても時計が狂ってしまう。


絵理奈)この懐中時計は、普通の懐中時計ではないんですよ。

そう言って、良太郎とモモタロスに懐中時計を見せる絵理奈。

カチ… コチ… カチ… コチ…

良太郎)動いてる…。

懐中時計は、静かに時間を刻んでいる。

モモタロス)どうなってんだよ、おい。

絵理奈)魔力のある懐中時計なんですよ。魔力が宿っている懐中時計なので、普通の時計が狂う場所でも
    動くんですよ。

ただひたすらに……。

良太郎)何で絵理奈ちゃん懐中時計なんて持ってるの?

絵理奈)……時計を見ていると確証出来るんです。

モモタロス)何をだ?

絵理奈)『自分自身の存在』を、ですよ。

時計は、時を刻んでいます。
時を刻んでいると言う事は、時計の秒針と長針と短針は動いていると言う事です。
その動く針を見ていると……


絵理奈)あたしは、"ここ"に存在している……って思えるんです。

時計の針が動いていると言う事は、そこの場所は、時がちゃんと動いていると言う事。
その時がちゃんと動いている場所にいる自分もこの場所()に存在していると思える…。


絵理奈)(あたしの唯一の存在を確証出来る物……)

きっとあたしは、自分の保証出来るものが欲しいだけなのかもしません…。
そんなのあたしのエゴなのかもしれません…。





あとがきです。

今回のお題は"時間"です。

初めての電王小説です。

途中で視点が変わってしまったんですよね^^;

一応、色を変えてわかりやすくしているんですけどね…。

2009.07.29
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