終焉ノ栞プロジェクト

□僕らの夏休み[終プロ]
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僕はとぼとぼといつもの帰り道を歩いていた。

「……はあ」

どうして僕がため息をついているのかというと、夏休みの間、幼なじみのc太が今日から家に居座るからだ。何故かうちの両親とc太の両親が「親同士でもっと親睦を深めよう」ということになった。「しばらく」というところが曖昧すぎるのだが……。きっとあの親たちだ、じっくり優雅に時を過ごすのだろう。子供を差し置いてバカンスなんて……!
まあ、僕には遊びに行ける程暇ではない。山のような課題を徹底的に終わらせなければならないのだ……!しかもややこしいことに部活ごとでペナルティがかせられる……地獄だ……。
そんなことを悶々と考えていたらもう家の前まで来ていた。

「暑い…早くクーラー…」
せかせかと家の鍵を鞄から取りだして扉を開けた。
…なんでこんなにも制服は暑いのだろう。こんな真夏日に制服で過ごすのはキツい。教室はクーラーが効いてていいけど廊下やましては登下校なんて最悪だ。
汗でワイシャツがペタリと肌に密着していて気持ちが悪い。
急いで荷物を部屋に置いてリビングのエアコンのスイッチを入れ冷蔵庫から麦茶を取り出しコップについだ。

「……はあぁ……」

生き返る……。
思わず表情が緩んでしまう。小さな喜びに浸っているとガチャリとリビングの扉が開く音がした。家には僕しか居ない筈なのに。喜びの表情から一転、少し息を飲んだ。

「a弥!おかえり!」

一気に緊張感がふっ飛んだ。

何故c太が居るんだ……どうやって入ったとかなんで僕の洗濯物を持っているんだとか色々ツッコミたい。そんなことを考えててしばらくの沈黙の後、

「……c太いつの間に……」
今度は冷や汗がたらたらと流れる。

「ん?a弥が帰ってくる20分前ぐらいかな」

……その20分間君は僕の家で何をしてたんだ!?と聞きたくなったが少し怖かったので止めた。
「そうなんだ…あ、洗濯物取り込んでくれてありがとう」
c太から洗濯物を受け取ろうとすると、フッと笑った。
不覚にもこいつを「うわ、イケメン」と思ってしまう。
そんなイケメンc太の口から出た言葉は
「何?この可愛いパ・ン ・ツ」
……パンツ?
「うわあああぁぁぁ!!」
慌ててc太から洗濯物を奪い取ってc太に背中を向けた。無駄に「パ・ン・ツ」ってパンツ強調されたぁぁぁ……!!!
どんどん顔だけが熱くなってくる。

「a弥ってそんな可愛いパンツはいてるの?くまさんかぁ…」
c太
がニタニタと笑う。なんだろう、とても笑みが黒い。別に男だから下着なんてものは見られてもどうってことはないけど、よりによってクマかよ!いつもは普通の柄穿いてますから!と内心では自己申告してるもののあまりにも恥ずかしくて何も言えなかった。

「a弥なかなか可愛い趣味してるね?俺があげた人形もかなり気に入ってたもんな」
c太の声が近付いた気がする。振り向こうとすると、僕の肩の上に、整ったc太の顔が乗っているのが視界に入った。
……近い……!すぐに顔を反らすが心拍数がどんどん早くなっていく。
「な、何…?c太」
「ん?a弥今日のパンツは何かなって思って…」
「はい!!!?」
なんだ、この変態イケメンは!

長くて細い指が僕のズボンのボタンを外そうとする。c太は少し意地悪に笑った。
「……ちょ、c太……!」
心臓がドキドキしておかしくなりそうだ……。恥ずかしくて目を瞑ると、
「……ぶはっ」

…………c太が吹いた。

「なんで?」と目を開けて、そういえば何の柄だったっけ?と自分も確認してみると

「あっ」

……猫だ。

「もう、最悪だ……」
ヘナヘナとその場にしゃがんで顔を腕の中に埋めた。
落ち込んでいる僕をよそにc
太は爆笑している。「可愛い、可愛い」と言ってるがもはや嫌みにしか聞こえない。
……買わなきゃ良かったな……
ぶつぶつ言ってると今度は

「a弥!!」と興奮気味に押し倒してきた。
「今度は何!?」
もう若干涙目な僕は「もうどうにでもなれ」状態だった。

「a弥今の格好やばい……」
今の格好……?制服のズボン穿いてない、ワイシャツのみ……
「!!」
c太の喉がごくりと音をたてた。
「…もう、いいかな。我慢するの止めて」
「が、我慢……て?」
とにかくやばそうな雰囲気を漂わせるc太に僕はぷるぷると小動物のように震える。

「…せっかくの夏休みだし、ね?沢山楽しいことしなきゃな!」

「し……c太その笑顔、怖い、よ…?」


こうして僕たちの危険な夏休み
が始まるのでした。

*************
はい、なんだかグダグダですみません、イチャイチャさせたかった!
両親不在→二人きり、ワイシャツネタなんてベタですよねww
私はベタでも好きよwwww
c太オラオラしててもデレデレでもいいww
病んでるのも捨てがたかったけど、苦手分野なので(^-^;
イケメンは何してもイケメンですね←
ありがとうございました!

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