カゲプロ

□好きな人を前すると優しくしちゃうよね。
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その後、カノが選んだ服を試着したりして会計を済ませたあと近くのファーストフード店で昼食をとることにした。

「あれ?シンタロー君飲み物だけなの?」

「そういうお前もシェイクだけかよ」

互いの貧相な昼食に二人とも笑みがこぼれる。

「僕達少食だよね、でも、シンタロー君はもう少し食べた方がいいと思うよ」

「そうか?今で充分だと思うが……まあ体力はないけどな」

「シンタロー君をおんぶして逃げた時はあまりにも軽すぎてビックリしちゃったよ。」

「あー、あの時はありがとな…」

「いえいえ、別にお礼なんていいんだよ?……そういえばシンタロー君随分喋るのスムーズになったよね、進歩したね〜」

「いや、話せるのお前らだけなんだけどな……さっきも店員の人前にしたらどもったし。」

「え、そうなの?」


「……お前って本当に本性表さないよな。何考えてるのかよく分かんない」

「色々と訳ありでね……でも僕は今日シンタロー君に頑張って本性出そうとしたんだけどなぁ……服選んでる時シンタロー君がカップルみたいって言ったとき結構ドキドキしてたし」

「全然そんな様子じゃなかったけどな」

「えーシンタロー君なら見抜いてくれると
思ってたのにー…」

「俺そういうの気付けないんだよ……」

「あはは、シンタロー君って本当に素直だね!それに優しいし……」

「優しくない」

「優しいよ、だって今日だって僕の誘いに答えてくれたし、みんなで言った遊園地だって………
なんか、もっとシンタロー君のこと好きになったよ」

「は!?」
急に俺の顔が熱くなる。

「…………嘘か本当かは君が暴いてみてね、…………よーし!帰ろっか、キド達が待ってるし!遅くなるとエネちゃんとかに誤解されちゃうかもね?」

クスッと笑ってカノは俺の前を歩き始めた。

アジトにつくまでカノは俺の前を歩いていたので顔を見ることはできなかった。
……どんな表情してたんだろう。
俺はその時、ドキドキしすぎて顔なんて見れなかった。

……確かに、「シンタロー君のこと好きになったよ」と言った時、アイツは顔を赤くして照れていたんだ。

アジトに戻るとカノはいつも通りにニコニコしていて、やっぱりこいつはすごいなーと思う。
俺はこんなに顔が熱いのに……

さっきからカノのことが気になって仕方かがない。目でカノを追ったりして目が合いそうになっては反らして、若干マリーとモモに怪しまれたので部屋に
逃げ込んだ。

そしてカノに選んで貰った服を眺めニヤニヤしていると、PCの画面からエネが

「ご主人何ニヤニヤしてるんですか、気持ち悪いですよ?……あれ?新しい服買ったんですね……ご主人とは思えないファッションセンス……!もしやネコ目さんですね!?今日お二人で服を買ってたんですか〜?」
とニヤニヤして笑った。

「……お前ニタニタすんなよ…、腐女子回路発動すんな!」

「でも照れてるじゃないですか〜!」

「……うるせ」

静かな部屋にパシャリとシャッター音が鳴った。

「おー、デレましたね!デレキマシタね!今の写真ネコ目さん(と妹さんとマリーさん)に送っちゃいます!!」

「おま……やめろよ!!」
慌ててエネの元へ駆け寄るが、こいつをどうやって止めるんだ。考える暇もなく、

「送っちゃいました☆」

「あああぁぁぁぁぁ!!!!」

……終わった……


今夜は眠れそうにない………。
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