小説(発展途上)
□恋のダンスを君と踊る
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今回のKOFは珍しく後味の悪くない大会となった為か、酷い怪我人がでなかった為か、閉会式の後に後夜祭が行われることになった。
後夜祭と言っても軽い立食パーティのようなものだが、一つ面白い余興が催されることになっていた。
それが、自由参加のダンスタイムだ。
ダンスと言っても個人が好き勝手踊る場ではなく、ムード感漂う音楽に合わせて男女が組になって優雅に踊る……ようするに社交ダンスだった。
「……」
KOF参加者が各々楽しく会話しながらご馳走を摘んでいる中で、少年はある男の背中を眺めていた。
「マリー!この後のダンス、俺と踊らないか?」
「あら?ダンスなんて踊れるのテリー?」
「まぁ見てなって」
「ウフフッ。それは楽しみね」
マリーに軽く手をあげてから戻ってきたテリーに、ロックは珍しそうにテリーの顔を見上げて言った。
「ダンスに参加するのか?テリー」
「当たり前だろ。パーティだぜ?回りだって相手を見付けるのにそわそわしてる。お前も早く相手見付けてこいよ♪」
「……俺はいい」
「ヨゥ!ジョー!!相手見付かったかぁ?」
「うるせェッ!!今説得中なんだよ!!自分は相手いるからって余裕こきやがって…」