小説(発展途上)
□氷上の天使
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「初めてなんだから笑うなよっ…」
「だって面白いんだもんっ」
キャタキャタ笑いながら、クーラは見事にタブルアクセルを決めてみせる。
「わぁ!クーラさん凄いッスね」
「こんなの簡単だよ〜」
「うるさいっ!気が散るっ」
恥ずかしいのか顔をほのかに赤くさせて、ロックがわめくがクーラは聞いていない。
「セーラ!早くおいでよ〜」
「はーい!……っと」
少しフラフラした後に、感覚を思い出したのかウィップは滑らかにリンクを滑ってクーラの元へ行く。
やがてクーラと手を繋いで滑りだし、リンクの外にいるK'に声をかけた。
「K'!あなたも滑ってみたら?」
「楽しいよ〜!一緒に滑ろ♪」
「………」
K'はサングラスをかけなおして、ベンチに座ってじっとしている。
クーラはウィップをつれてK'の近くへと近寄った。
「K'ー!!早く早くぅ!クーラ先生が教えてあげるから怖くないよ」
「…誰が滑るっつった」
「えぇ!!滑んないの?!」
「当たり前だ」
「なんでぇ?滑ろうよ〜」
「うるせぇ」
「でもK'、スケート靴はいてるじゃない。せっかくだしクーラに教えてもらったら?」
「そうそう☆クーラ、先生だからね」
「テメェが無理矢理はかせたんだろ。ここまでやったんだから満足だろうが」