あい
□な
1ページ/1ページ
「ごめんっ、遅れた」
「いいよ、」
午後8時。公園。
私が突然克己を呼び出した。
「・・・どうしたの」
彼はうつむいて私に聞く。別ればなしをするかの様に私達は黙っていた。
別に別ればなしをする訳じゃないのにね。
「私ね、」
いいかけたらすぐ抱き締められた。
「・・・俺別れないからな」
「へ?」
「別れたら俺、死ぬかも」
抱き締める腕に力が入っている。ああ、私愛されてるなぁ。
「あははっ」
笑うと彼は目を丸くして
私に聞く。
「別ればなしじゃないの?」
きつく抱いた腕も少しゆるくなった。
「ただ明日から旅行行くから克己が寂しがらないようにあっとこうと思って」
そう言うと安心したかのようにため息をついた。
「私だって克己と別れたら死ぬ」
あまりにも愛しかったからキスをした。
二人離れることは
決してない