─学園ラブ─

□鬼ごっこ
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「ゾロ!!、サンジ!!、ナミ!!。鬼ごっこするぞ!!」
「はあ?」
「鬼ごっこだあ?」
ウソップとビビを連れてのルフィの誘いに、思わずサンジと呆気に取られた。
「お前…w、『鬼ごっこ』って…w。いくつだよ…w」
「てか、なんでいきなりそんな事しようとか思ったんだよ…w」
「ヒマだからだ!!!」
「「……w」」
どんっ!!!と効果音が聞こえたくれぇ、腕を組んで堂々と言い放ったルフィに二の句も出ねぇ…。
「……てめぇはマジでガキだな…w、ルフィ…w」
呆れた脱力した口調で言うサンジに、てめぇも同感で。
「いいじゃねぇか、やろうぜ!。ビビとウソップの三人だけじゃつまらねぇだろ!?。なあビビ!」
「うんっ。ねぇやろうっ?、ナミさんっ。サンジさんもMr.ブシドーもっ」
ルフィの同意を求める声に楽しげに頷き返したビビが、ルフィと二人で俺達を誘ってくる。
ルフィのガキ思考についていける…てか感化されるのは、俺達の中でこいつだけで。
それをたまには止めるウソップも、それ以上にルフィと一緒にガキ化…てかバカ化しやがるから全くアテには出来ねぇ。
「……仕方ないわね」
「ビビちゃんの頼みなら断れねぇな」
声を弾ませて誘うビビに促され、ナミとサンジが腰を上げる。
「Mr.ブシドーは?」
「………w」
二人を取り込んだビビが俺にも訊いてきやがった。
が、
『鬼ごっこなんざくだらねぇ』
そう思う。
「やらねぇよw。鬼ごっこなんざく」
「お前もやるんだゾロ!!」
「………」
口に出した敬遠の文句は、言葉の最中にルフィの命令に遮られた。
(…。………w)
『やらねぇ』。
そう言い通すのがこのバカリーダーには通じねぇのが、俺の一番の問題な気がするのは俺の思い過ごしじゃねぇだろう。
「………w。…解ったよw」
もう抵抗するだけ疲れるのは解りきっていて。
渋々ながら立ち上がって、部屋を出ていく連中についていった。
「いいな?、三・三に分かれて、負けた方が十数えてから追いかけるんだ。二人捕まったら終りだからな」
「「「「「了解」」」」」
近所の広場。
たまに草野球の場にも使われる、かなり広さのあるそこで、全員で輪を作ってルフィのルールを聞く。
「じゃあいくぜ!。じゃん拳──」
「「「ほい!!!」」」
一回のじゃん拳で、掛け声を出したルフィ、ビビ、ウソップの三人が勝ち、俺、ナミ、サンジの三人と上手く三・三に分かれた。
「じゃあ俺達が捕まえるんだな」
「それじゃ……」
「ちょっと待った!」
「あ?」
数を数えようとした時ルフィが止めてきて、ビビとウソップと三人で輪になって互いの肩を組み、作戦でも決めてるのか、相談を始めた。
「よし!!。それじゃ逃げるぞ!!」
作戦会議の割にゃかなり早く離れ、ルフィ、ビビ、ウソップがそれぞれ分かれて走り出す。
「それじゃ数えるぞ。いーち、にーい」
左右にサンジとナミが立つ中、腕を組んで数を数え、
「はーち、くー」
そこで身構えると、サンジも同時に体を沈めた。
「十!!」
遠く離れて、俺達が追い掛けてくるのを待ち構えてやがる逃げ組に向かって、サンジと全力で走る。
が、ナミは動ねぇ。
「いい!?、兄貴!!、サンジくん!!。まずはウソップよ!!」
どうやらあいつは指示役に徹するらしく、追い役の俺達に指令を出してきた。
「悪ぃなウソップ!!。お前から捕らせてもらうぜ!!」
脚力では俺より早ぇサンジが、男組の中で一番体力で劣るウソップを追い掛ける。
「わはは、甘いぜ、サンジ」
「あぁ?」
(?)
サンジに追われながらもやけに余裕綽々なウソップの言動に、サンジの声同様に俺も疑問に思考が傾いだ。
「俺の逃げ足の早さを舐めんなよ!!!」
「Σなっ!!?」
(…………)
学校一足の早ぇサンジ。
そのサンジを凌ぐ早さで逃げやがったウソップのスピードにサンジが驚いてやがる。
たがウソップはガキの頃から嘘と逃げ足は秀逸だったのを考えると、楽に捕まえられると思っていた俺達の考えは誤算だったかも知れねぇ。

「………w。Σ」
ウソップのまさかの逃げ足にちぃと唖然としてると、目の前をビビちゃんが横切って。
野郎のウソップよりビビちゃんだと、進路を変更し、ビビちゃんの後を追う。

「あっ!!、なにやってんのよサンジくん!!。仕方ないわ!!。作戦変更!!。兄貴!!、先回りしてビビを捕まえて!!」
「…たく。仕方ねぇな」
ビビに目が眩んでナミの作戦も頭から飛んだらしいアホコックに、何やってんだと、逃げるビビの前に先回った。
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