─学園ラブ─

□ファーストキス
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「ん…っw」
冷蔵庫の上のホットプレートを取ろうと手を伸ばして、でもちょっと高くて、背伸びしながらようやく手が届いた。
「ん…w、Σきゃ!!」
引き出した時、片手が滑って、傾き落ちてきたホットプレートに、頭に落ちてくると解ってても、目の前に迫ってくるホットプレートを見てる事しか出来なくて。
「!?w」
ふいに目の前に出て来た手。
その手の上にホットプレートが落ちて、縦になったまま静止した。
「…………。…Mr.ブシドー…」
そのホットプレートを掴んで持ってる、引き締まった手に後ろを振り返ると、片腕を上げたMr.ブシドーが立っていた。
「…気ぃ付けろよ。横着しねぇでイス使え」
「…あ……ありがとう…。(…………)」
冷静な物言いで言って、ホットプレートをテーブルの上に置いたMr.ブシドーに、相変わらずの危機察知の鋭さと助けの間髪さにすごさを感じながらお礼を言って、そのままリビングの方に歩いていくMr.ブシドーの後ろ姿を眺めた。
Mr.ブシドーと恋人として付き合って、今日で丁度二週間。
でもMr.ブシドーは相変わらずで。
恋人らしい事をしてくるでもなく、付き合う前と全く変わらない態度でいる。
だから私も変に意識しなくて気楽にいれてるけど。
(………//)
やっぱり好きになったら、ちょっとした事が気に止まる。
ああしてさり気ない(むしろ素っ気ない)優しさや思いやりを見ると、ちょっと気持ちがドキドキして、自分がMr.ブシドーの事を好きになってるって自覚して。
だから、時々恋人らしい事もしてみたい気持ちにはなる。
そしてやっぱり、恋人になったらする事といえばキス。
私も今はMr.ブシドーが好きだから、キスする事には抵抗感は感じない。
だから、キスしてみようと思った。
面と向かってするのは恥ずかしいから、不意打ちっぽく。
今ならそれが出来ると思った。
「…ミ、Mr.ブシドー//」
「あ?」
ダンベルを取ろうとしたMr.ブシドーを呼び止めて、振り向いたMr.ブシドーに近付いた。
「……?。なんだ──」
私を見下ろすMr.ブシドーの前で爪先立ちをして。
「Σ!。ぷわあ!//////w」
Mr.ブシドーの口に口が当たった瞬間、口に触った想像してたより柔らかい感触にびっくりして、思わず自分でも変だと思えた声出して、Mr.ブシドーの口から口を離して体を背けた。
(ちょ…っ///、思ってたよりほんとに唇の感触…っ///w)
当たり前だろうけど、でも男の人の唇ってもっと固いイメージもあったから、ちょっとかさついてたけど柔らかかったMr.ブシドーの唇の意外さに、その口の感触の残る口を両手で押さえて驚愕に動揺する。
「////////////…w」
「────」
口に残る感触と、自分からした事だけどMr.ブシドーとキスした事がかなり恥ずかしくて、でも何も言っても来ないMr.ブシドーに、恥ずかしいながらに反応を見る為に目を向けると、Mr.ブシドーは僅かに目を見開いた驚きの顔をしてて。
「え…えと…//////w」
結構驚いてるらしいMr.ブシドーの様子に気まずさが湧いてきて、もしかして怒ってる…?wと、ちょっと気後れしながら声を出した。
そしたらMr.ブシドーの口が少し動いて。
「…何やってんだよお前…w。てか自分でしてきておいて、何だよ今の態度は…w」
呆れたみたいな、呆気に取られた口調で言ってきたMr.ブシドーに、気まずさがまた増した。
「だ…だって…w、つ…付き合ったらキス…してみたいと思うじゃない…?w」
怒ってるようには見えないけど、代わりに呆れてるみたいなMr.ブシドーに言うと、『はぁw』と、辟易を吐き出すみたいなため息を吐いた。
「も…もしかして…イヤ…だった…?w」
「……嫌じゃねぇが…」
そのため息にほとほと呆れてる感が見て取れて、ちょっと心配になって訊いたら、それには否定の言葉が返ってきた。
けど、『が…』って、語尾に気になるニュアンスがついていて。
「まさかおめぇからこんな事してくるとは思わなかったぜ…w」
「//////」
眉間にシワを寄せて、どことなく困惑の顔つきで言ったMr.ブシドーが、またため息を一つ吐いて私を見下ろしてきて。
その言った言葉に恥ずかしくなる。
「で…でも…///」
「あ?w」
「イヤじゃ…なかったのよね…?…///w」
「…そりゃ、惚れた女にされて嫌な奴はいねぇだろ」
「…ん…//////…w」
確認した事に返ってきた、返ってくると思っていた返事以上の言葉にまた恥ずかしくなる。
「じ…じゃあ…w」
「?」
「こ…これからも…///…、時々していい…?///…」
確認取る事はない気はするけど、なんとなくしていた。
「…まぁ…構わねぇがよ……//」
「…………///。(//////…ん……///)」
どことなく気恥ずかしそうなMr.ブシドーの返事を聞いて、なんか目線を合わせてるのが恥ずかしくなって俯いて。
でももう一回してみたい気がしてきて、Mr.ブシドーを見たら、Mr.ブシドーは私を見てて。
「…………」
「……ん…、…///…」
そのMr.ブシドーと目が合って、なんとなく考えが合った気がして。
違ってたら恥をかくけど、勘を信じて目を瞑りかけた時、Mr.ブシドーが体を屈めてきたのが見えて。
二回目のキスが口に当たった。


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