─短編集─

□こうだったらよかったのに
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「それよりウソップ。お前の上着を寄越せよ」
「嫌だね。自業自得だろ」
「じゃ、靴っ。片方っ」
(…………w)
こんな広い雪山の中、奇跡的に合流したMr.ブシドーと私達。
でもこんな雪国で寒中水泳して道に迷って、その上雪崩に巻き込まれて、今も薄いズボン一枚で。
流石の彼もよっぽど寒いらしく、体を抱き込んでウソップさんに着るものをせびってる。
靴片方なんて、例え貸してもらえたとしてもなんの防寒にもならないだろうに、もうほんの一部でも温まればなんでもいいらしい。
「…じゃあMr.ブシドーw。私の上着…w」
これを脱いだら私も寒いけど、あまりに震えてるし、Mr.ブシドーにはちょっと小さいだろうけど、ジャケットのジッパーの金具を手袋のまま摘んだ。
「ああ?。おめぇの服が俺に入る訳ねぇだろw。それにおめぇから取れるか。おめぇは女だし風邪引くだろ」
(…………)
「ちょっと待て!!w。俺は風邪引いてもいいのか!!w」
「おめぇは男だろうが。ちぃとくらい辛抱しろ」
「なんだその差別はよ!!!#w」
(…………w)
自分の体を抱いたまま冷静にウソップさんを突き放すMr.ブシドーに、今少し見た彼の優しさに起きたときめきが呆然感と共に引っ込んだ。
「へ…ぶえっくしょい!!!w。いかん…w、この寒さはいくら流石の俺でも…ん」
(?。なに?)
「ゾロ?。どうした?」
足を止めて私を見てきたMr.ブシドーがこっちに歩いてきて。
「?w。!?w、ミっMr.ブシドー!?//////w」
後ろに来たMr.ブシドーを振り向きながら見上げると、急にMr.ブシドーが私の肩に両腕を被せてきて。
「ちっちょっとMr.ブシドー!?//////⊃⊃」
「いいじゃねぇか、寒ぃんだからちょっとこうさせてろ。おめぇだってこうしてる方が温ぃだろ」
「そっ/////、それはそうだけどっ//////w」
私の背中にのし掛かってシレッとした顔で言ってくるMr.ブシドーに、でも男の人の腕の中にいる今の状態が恥ずかしくて。
「あーはいはい。イチャイチャすんのはいいけどよ、そういうのは俺の居ねぇとこでしろよ、たく…」
「ちっ違っ!!//////w。ちょっとMr.ブシドー!!//////w、離れて!!//////w⊃⊃」
「嫌だね。今離れたら余計に寒ぃ」
重いし恥ずかしいし、だから離れて欲しいのに、Mr.ブシドーは離れてくれなくて。
ウソップさんは白けた雰囲気で先にスタスタ行っちゃうし、仕方なくMr.ブシドーをそのままにウソップさんの後を追った。


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