─短編集─

□風呂※
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「♪」
体も頭も洗い終えて、俺にゃ温ぃ湯船ん中、湯船の縁に両腕掛けて寛いでると、俺に凭れるビビが鼻歌混じりで両手を合わせて指を組んだ。
その仕草は、どうやら水鉄砲をしようとしてるらしく。
「…………Σぶ!?」
「あっ!!w」
その手付きを何にも考えずにただ見てると、ビビの手から飛んできた水が顔面にぶっ掛かった。
「…………っw」
「ごっごめんなさいっっ!www。大丈夫!?w⊃⊃」
別にほんもんの鉄砲で撃たれたわけじゃねぇからどうってこたねぇが、だが避ける事も出来なかった事にちぃとてめぇに憤りを感じながら、顔を濡らす水気を掌で拭う俺にビビが焦って振り向いてくる。
「…別に何でもねぇがよ…、これくれぇ…。てか、飛ばす向きがおかしいんだ。こう、もうちぃと手をこうしろよ」
「こう?。あっ!。………w」
「…………」
ビビの肩からゃ顔を乗り出させて見本をして見せて、それを真似てしたビビの水鉄砲をまた顔面に食らって。
「……言いてぇ事があるなら口で言ってくれねぇか…」
「ち、違うわよっ!w。ワザとじゃないしっ!w。ただ上手く飛ばなくてっ!w。…おかしいわね…w」
多少皮肉を込めて言った俺に反論してきたビビがまた手を構え、それに一応気構えた瞬間、
「あっ!?w」
やっぱり飛んできた水鉄砲を、三度目はかわした。
「────」
「Σ!!w。ごっごめんなさいっ!!www。でもほんとにワザとじゃないんだからっ!!www」
怒ってはねぇが、反省させがてら無表情にちぃと怒りの表情を含めてみせると、びびりまくったビビが俺から離れて言い訳してくる。
(…………)
やり返してやろうかとも思ったが、不可抗力の相手に水ぶっかけるのもちぃと考えて。
代わりにムラリと湧いた下心に従って、ビビに体を近付けた。
「な…なに…?w」
俺が怒ってると思っているらしく、びびった顔を多少引き吊らせて、ビビが湯船の奥に引き下がる。
「あっ!!//////w」
湯船の壁に体の側面と揃えた両手を押し付けて、恐怖に表情を強ばらせるビビの体に巻いているタオルを剥がし抜いた。
「仕置き」
「あっ!//////」
大体もう何遍も風呂なんざ一緒に入ってるってのに、未だにタオルで体を隠す事にゃあちぃと不満を感じる事もあって。
だが、まだ恥を持ってるってのはそれはそれでムラリとくる要素でもあって、このままその恥を持ってて欲しいって気もある事もある。
『恥』と『裸で風呂』、どっちがいいか内心で軽く揺れながら、取り敢えず先ずは体の要求に従った。


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