お題部屋

□きみしかいない
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世界には数え切れねぇ程の人間が居る。
その中の半分は『女』。
"俺の暮らす世間の範囲で"という制限が付いて数は減っても、どこかへ行けば、街を歩けば。
何百何千と溢れている『女』。
その中でたった一人。
そんな溢れ返っている『女』の中で。
俺が選んだ、たった一人の女。
なんでこいつなのか。
なんでこいつでなけりゃ駄目なのか。
こいつよりいい女はごまんと居る。
居るんだろう。
だが俺にはこいつよりいい女は居ねぇ。
顔も、見た目も、性格も。
こいつより優れた女は居るんだろう。
それでも俺にはこいつしか居ねぇ。
こいつよりいい女を探す気も。
こいつよりいい女を見付ける気も。
ありはしねぇ。
こいつがいい。
こいつだけでいい。
世界中に溢れ返る数の『女』。
俺の生きる範囲でだけでも溢れ返る数の『女』。
そんな中で見付けた、たった一人。
俺にとっては最高のただ一人。
そんなおめぇが選んだ『男』。
溢れ返る数の『男』の中で、おめぇは俺を選んだ。
そして、今も側に居る。
この広ぇ世界の中で。
溢れ返る人間の中で。
俺とおめぇは互いを選んだ。
おめぇが俺を選んだように。
俺の世界にはただ一人。
俺を選んでくれた、おめぇしか居ねぇ。


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