お題部屋
□えんぴつケシゴム
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私が書いた言葉や文字を、彼はその都度消していく。
何も言わずに、黙って黙々と。
だから私は書いていく。
楽しかった事、嬉しかった事、笑った事。
怒った事、悲しかった事、…泣いた事。
幸せな文字、不幸せな文字。
彼はその都度消していく。
悲しい言葉、涙の文章。
それだけを消していく。
だから私の書いてきた文字の道に不幸の色は全然なくて。
残っているのは幸せな色だけ。
私はえんぴつ、彼はケシゴム。
私は書いて、彼は消して。
彼はこれからも、私の不幸を消してくれる。
不幸だけを消してくれる。
私の書いた不幸な事を、全部全部、なかった事にしてくれる。
終