原作サイドパラレル─真章─

□記憶喪失2
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(怖い…w)
怖い人w。
みんなの仲間で、この船に乗ってるんだからいい人ではあるんだろうけど、それでも怖いw。
顔付き、というか目付きがw。
睨むような目。
つり上がった眉。
少し堅い雰囲気。
腰に携えた三振りの刀。
彼の見た目と、怒らせたらあの刀で切り掛かられるんじゃないかと思うと、目も合わせられない…w。
「………w」
ナミさんが言った。
あの人は私の恋人だと。
それが信じられなくて。
あんな怖そうな人を、私が好きだったのか。
あの人と笑い合っている自分が想像出来ない…w。

「ビビー、これゾロ用のおやつ、あいつに持っていって」
「Σえっ!!?w」
私が!?w。
「大丈夫よ。そんな怖がらなくてもあいつは噛み付いたりしないから」
「……う…、…うん…w」
それはそうだけど…w。
解ってるけど…w。
近寄りがたいw。
「はい、これあんたのね。一緒に食べてらっしゃい」
(Σ)
一緒に!?。
あの人と!?w。
………ナミさん…w。
私があの人が怖い事知ってくれてるのに…。
ひどい…w(泣)。

「……あの…w、ゾロ…さん…?w」
「ん…」
(う……w)
やっぱり怖い…w。
どうしてだろうw。
別に怒られる訳でもないし、怒らせるような事をした訳でもない。
でも怖い…w。
目が合うだけでも、怖い…w。
「こ…これ…w。ナミさんがゾロさんにって…w」
固くなっちゃいけないw。
怖くても、何でもないふりしなきゃ。
ゾロさんに失礼だし、この人は私を知ってるんだから。
恋人なんだから。
…信じられないけど…w。
でも信じられなくても、普通に接しなきゃw。
「…………」
(――――w)
無言なのがまた怖いw。
どうして喋らないんだろうw。
喋ってくれたら、少しは違うんだろうにw。
「………w」
やっぱりおやつは一人で食べようw。
この人と一緒になんて、無理…w。
(…………w)
仲間なんだから別に何も言わなくていいわよねw。
黙って離れても怒らないわよねw。
「…………w」
「…………ビビ」
(Σ!!w)
よ…呼び止められた…w。
ど…どうしよう…w。
もしかして怒らせた…?w。
やっぱり一言言うべきだった…?w。
どうしよう…w。
あ…謝った方がいい…?w。
「あ…っw、あの…っw、ごめんなさっw」
「…ちぃと話さねぇか」
(え…?w)

(〜〜〜どうしよう…w)
すごく居心地が悪いw。
威圧感がつらいw。
〜〜〜潰されそうw。
「………………」
「〜〜〜〜〜w」
話さないかって言っておいて、どうして何も言ってこないのっ?w。
怖い怖い怖い怖いっw。
ナミさんルフィさん、誰でもいいから呼んでっw。
助けてぇw(泣)。
「…………俺が怖ぇか」
「Σ!!w」
怖いかってっw。
当たり前じゃないっw。
でもそんな事言えないしっw。
逃げたいっw。
今すぐ逃げたいっw。
ここから逃げたいっw。
でも逃げたら怖いっw
後が怖いっw(泣)。
「〜〜〜〜〜〜w」
どうしようどうしようどうしようっ⊃⊃。
頭が働かないっ⊃⊃。
威圧感に押し潰されそうっ⊃⊃
怖い怖い怖い怖いっっ⊃⊃。
「……………」
「―――――っっ」
「…………もういいぞ」
(え…っ?)
「行っていい」
「ごっごめんなさいっ!!w」
(………は〜w。怖かった…w)
慌てて走って逃げちゃったw。
気を悪くして怒ったかしらw。
……絶対怒っただろうなぁ…w。
でも我慢できなかったw。
助かったと思った。
でもまたもう一つ気まずい状態になっちゃった…w。

「あらビビ。一緒に食べなかったの?」
「無理よ!w。あんな人と二人きりでおやつなんて、喉を通らないっw」
「こりゃ重症だな」
「いい気味だ、マリモの野郎。ビビちゃんを手に入れておきながら恋人らしい事を何一つしねぇバツが下ったんだよ」
戻ったキッチンで、私が彼とおやつを食べてこなかった事を首を傾げて訊いてきたナミさんに返した私の後ろで、ウソップさんがため息混じりに言って、サンジさんが勝ち誇ったみたいに言う。
これから先もあの彼とこの船で一緒に過ごさなきゃいけないと思うと気が重い。
「ま、ビビちゃん。マリモの事は気にするな。ビビちゃんの記憶が戻るまでは、彼氏らしい事をしなかった反省をさせてりゃいいさ」
「…………」
肩にポンと手を置かれて、顔を上げると、サンジさんが笑みを浮かべながら私を覗き込んでいて。
(…………//)
その笑みの浮かぶ顔を見て、なんだか胸がトクリと脈打った。


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