原作サイドパラレル─真章─

□刀
1ページ/4ページ

(…ふぅ……w)
「うん?。どうしたんだい?、ビビちゃん」
「あ…」
買い出しの途中、少し疲れて、前を肩や脇に荷物を持って歩くルフィさんとMr.ブシドー、サンジさんから遅れ始めてしまった私に気付いたサンジさんが声を掛けてきてくれた。
「ごめんなさいw。少し疲れちゃってw。でも大丈夫だからw」
私が一番軽い荷物を持っているのに、疲れたなんて言ってる事がみんなに悪くて、慌てて小走りで三人に駆け寄った。
「そうだな、もう三時間近くウロウロ歩いてるし…。女の子のビビちゃんは疲れて当然だよなw」
「広い町なのはいいが、それだけどこにどの店があるか解らねぇからな」
「じゃあビビ。おめぇはここで待ってろ。後は水と肉だけだから俺達だけで行ってくる」
「え…、でも…w」
今日は荷物持ち要員としてついてきたのに、それじゃなんの為に私は一緒にきたのか解らないw。
「じゃあ、俺は肉屋に行ってくる。ルフィ、マリモ、お前らは水を買いに行ってこい」
「だな。その方が効率的か」
「じゃあビビ、すぐ戻ってくっから、ちょっとここで荷物と一緒に待っててくれ」
(う…w)
ルフィさんが荷物を地面に置いて、サンジさんとMr.ブシドーもその周りに荷物を下ろしていく。
荷物持ちについてきたから私も行きたいけど、でもそうしたら今度は足手纏いになりそうだし、サンジさんにも余計に気遣わせちゃうと思うと『ついて行く』と言い出せないままにも、どんどん私はここで待機の方向に事が進められていくw。
「……ごめんなさい…w」
これじゃ私がお荷物だと、迷惑かけてる事を謝った。
「……ビビ」
「?w。なに?、Mr.ブシドー」
落ち込んでた顔を上げると、Mr.ブシドーが私を見ていた。
「お前、武器は持って来てるんだよな」
「あ、ええ、もちろん。…あ…?。えっ…?w、……あ」
Mr.ブシドーの問いに一応確認しようといつもスラッシャーを入れてる胸の間に意識を向けた時、その感触を感じない事に気付いて。
後ろを向いて服の襟首を伸ばして確認して、ないのが見えたと同時に、そう言えば昨日手入れをしてそのままお風呂に入ったから、ナミさんのお酒を並べてる棚に置いてそのままだった事を思い出した。
「なんだ?。ねぇのか?、ビビ。落としたのか?」
「…ううん…w、船に置いてきちゃった…w」
「なんだ、持ってきてねぇのかい?。困ったな…w、あれがあるから安心して待っててくれと言ったが…」
「………ビビ」
「あ…なに…?w、Mr.ブシドー…w」
「ならこれ持ってろ」
「え…、でも…」
注意が足りねぇとかって小言がくるのかと、呼んできたMr.ブシドーに顔を向けると、Mr.ブシドーが腰から一振り、白い刀を鞘ごと抜いて。
それを取りに来いと言うようにその場で差し出したMr.ブシドーに、でもそれを受け取るのを躊躇った。
「おいおい、マリモw。ビビちゃんは刀の使い方なんて知らねぇだろw」
サンジさんの言う通り、私は刀の使い方なんて解らない。
それにこの刀はMr.ブシドーが一番大切にしている、亡くなった親友の大事な形見の刀で。
私が易々と手に取っていいのか迷った。
「問題はねぇ。こいつは軽ぃし、女でも十分振るえる。使えなくても振り回して当たりゃあかなりの殺傷力だ。威嚇くらいにはなる。それで牽制しながら船まで逃げろ。荷物も気にするな」
「……解ったわ」
私の目を見ながら言うMr.ブシドーに頷いて近付いて、差し出される刀を受け取った。
「じゃあすぐ戻るからな、ビビ!」
「ええ!。いってらっしゃい!」
手を振ってMr.ブシドーと走っていくルフィさんに手を振り返して、一つため息をついて何気なく辺りを見回した。
(あ…)
すぐ近くにベンチを見つけて、あそこで待っていようと荷物を運んで、
(ふう…)
みんなは軽々と持ってたけど結構重さがある、量も嵩もある荷物を全部運び終えて、ベンチに腰を下ろした。
「…………」
膝に置くMr.ブシドーの刀。
白くて綺麗で、Mr.ブシドーの大切な刀。
(…守らなきゃ)
護身用にと渡された刀だけど、私が守らなきゃ。
なんだかすごく重要なものを任された気分に気を引き締めて、その刀を膝の上で強く握り締めながら、ルフィさん達が戻ってくるのを待った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ