原作サイドパラレル─真章─

□祝い
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「「「「おめでとーっっ!!!」」」」
「グエーッ!!!」
「「Σ!!?w」」
朝になって、朝飯を食う為に飯場に向かう所で、丁度通路部屋のドアを開けて鉢合わせしたビビと多少妙な気分のまま飯場に行って。
ドアを開けた途端の連中とカルーの大声にビビとびびった。
見えるテーブルの上の料理もやけに豪勢で、酒も並んで、まるで宴会の時の状況みてぇになっていて。
「な…なんだよw、朝っぱらから…w。今日はなんかの祝い日かよ?w」
おめでとうって言葉から、そして俺達に向けられたらしい事に、どうやら俺かビビのどちらかに関係のある行事日かと連中に訊いた。
「またまたぁ∨。すっとぼけちゃって♪」
「ああ?w。何がすっとぼけだよ?w」
「………?w。!。〜〜////////////w」
(あ?w)
やけに楽しげなナミの言葉に訳が解らねぇでいると、いきなり横のビビの顔が真っ赤になって。
「まさか二人で入ってくるとはなぁ。なかなか見せつけてくれるじゃねぇかよ、お前らも」
「ほらほらビビ。そんなとこで赤くなってないで早くいらっしゃい∨。ほらゾロ、あんたもこっちきて早く座んなさいよ♪」
「ナっナミさんっ//////w、ちょっ//////w⊃⊃」
(???w)
いやに楽しげな上機嫌のナミやウソップの言葉に訳が解らねぇで、ナミに手を引かれて引っ張られていくビビについて、ナミに促されるままにビビの横の席に座った。
「はい、ゾロ♪。これは私からの奢りよ∨。遠慮せず飲みなさい∨」
「………w。何なんだよw。なんか気持ち悪ぃぞお前ら…w」
手前にナミが奢りだと置いてきたのはこいつ秘蔵の高級葡萄酒で。
そのナミはいやに嬉しげに笑ってやがるし、ウソップも、そしてチョッパーもニヤニヤ浮かれたみてぇに笑ってやがって。
(………?w)
横のビビはさっきから居心地悪げに俯いて顔赤くしてやがるし、いつもと変わらねぇのは、テーブルの上の馳走に釘付けになって喜んでいるルフィだけで。
「おらよ!!#、クソマリモ!!#」
「!。ああ?」
横からいきなり叩きつけるみてぇに俺の前に料理の乗った皿を置いてきたコックの声は怒声で。
横向いて見上げたコックの顔は、やけに怒りを帯びていやがって。
(???)
そのクソコックの様子に更に訳が解らねぇようになって、コックとは正反対にニコニコってかニヤニヤ笑ってやがるチョッパー、ウソップ、ナミ、ついでのルフィを見回した。
「…一体何なんだよお前ら…w。…おいビビ。今日はなんかあんのかよ?」
「〜〜//////w」
横のビビを見て、だがビビは赤い顔をしたまま、俯き加減に目だけを俺に向けてきただけで何も言わねぇで。
「なに?、あんたまだ解らないの?」
「ああ?。だから何がだよ。今日は何の宴会だ」
「「「………。♪」」」
「?w」
訊いてきたナミに解らねぇから訊いてんだろうがと思いながら返すと、ごく僅かな時間、ナミとウソップ、チョッパーが表情のねぇ顔を見合わせて、また俺に向けてきた顔はニヤリと笑っていて。
それに微妙に気持ち悪さと変な怖さを感じた。
「…マジで何なんだよw、おめぇら…w。なんか変なもんでも食っておかしくなったのか…w」
「「カップル成立おめでとー♪。ゾロ、ビビ∨」」
「!!?w」
「ナっ!//////、ナミさんっ!!//////w」
(な…w)
ナミ、チョッパーの言葉で、祝われている謎が嫌でも解けた。
バレているのはナミの事だ、あの時床戸で聞き耳そばだててやがったんだろう事は瞬間的に察しが付いた。
だがまさかこんな事をしてきやがるとは思いもしねぇで。
「なによビビ。あんたの初めての恋が叶ったのよ?。よかったじゃない∨、おめでとう∨」
「こっ恋じゃないわよっ!!//////⊃⊃。それにあれは最初にナミさんがっ!!w⊃⊃。それにこんなっ!!w//////」
「気にしない気にしない♪。それにそりゃきっかけは私だけど、意識したのはあんたでしょ?、ビビ∨。それに仲間の幸せはみんなで盛大にお祝いしないとね∨。ね、みんな∨」
「おうよ。それに祝い事は宴会でってのはこの船の決まりだろうが」
「おめでとー、ゾロビビ。ほんとにお前らが恋人になるなんて驚いたけど、おめぇらならお似合いだぞ∨」
「ト、トニーくんっ//////w⊃⊃」
「あああ〜〜っ!!、ビビちゃんっ!!。どうしてよりにもよってこんな筋肉脳のバカマリモなんかを選んだんだああ!!。俺を選んでりゃナミさん共々幸せにしてあげたってのに〜〜〜っ!!!」
「そんな事より早く食おうぜ!!!。いっただきまーす!!!」
「Σあっ!!、待てルフィ!!w、一人で食うな!!w。ほれチョッパー!、おめぇも早く食え!」
「うっうん!w。カルー食べるぞ!w。いただきまーす!w」
「グエッ!」
(〜〜〜〜〜〜っっ!!w)
いつも通りの騒がしい宴会の場。
だが心ならずもその宴会の主賓にされた俺は飯を食う気も、酒すら飲む気にゃあなれず。
座った時から居づらそうにしていたビビの理由と気持ちがやっと解ったと同時に、俺もこの場から去りてぇ気持ちになって。
「それより、ちょっとゾロ。あんたいつからビビの事好きだったのよ」
「!!?w。てめっ!w、なんでそれをっ──!!w」
居たたまれねぇ気分の時にいきなりナミに振られた質問に、思わず肯定しちまった言葉を言っちまった事にしまったと顔が引きつった。
「だって大剣豪一筋なあんたが女の子からの告白を受けるって事は、ビビの事意識してたって事でしょ?。ほらほら白状しなさい。いつからビビの事好きだったのよ?」
「ぐっ!!w」
腹が立つ程推察力を働かせやがる魔女に、思わず言葉に詰まった。
「おらあクソマリモ!!!。いつからビビちゃんに目ぇ付けてやがった!!!。てめぇ女には興味ねぇみてぇな顔してやがって、しっかりビビちゃん狙ってやがったのか!!!。このムッツリマリモ!!!#」
「###!!。誰がムッツリマリモだエロコック!!!#。大体狙ってなんざねぇ!!#。俺はただこいつの力になれりゃそれでよかっただけだ!!#。別にどうこうなる気なんざ無かったってのに、このバカ女が余計な事しやがるからこんな事になってんだろうが!!#。文句ならナミの方に言いやがれ!!#」
「あら。でもそのわりにはビビからの交際のお願いに応えたじゃない」
「つっ!!w」
横から入って来やがったクソコックのムカつく物言いに、立ち上がって怒鳴り返した時に、次はまたナミが横から入って来やがって。
「やっぱりあんたも男よねぇ∨。好きな女の子に告白されたら断れないんじゃない。いつからビビの事好きだったのかは知らないけどよかったわねぇ、好きな子と両想いになれて。強さばかり求める血なまぐさい剣士人生にも花の香りが加わったじゃない♪」
「〜〜〜〜〜っっ!!w」
「ほら、ついでにいつからビビの事好きだったのかも白状しなさいよ∨。あんたの事だから見た目に一目惚れって事はあまり考えられないからー──リトルガーデンでビビの心持ちの強さを見た辺りかしら?」
「〜〜〜〜〜っっ!!!w」
ドンピシャで言い当てて来やがる性悪魔女の勘にそこはかとねぇ怖さを感じてそれが癪に障り。
飯をがつくルフィと怒りに満ちたクソコックとは別に、ウソップとチョッパーもなんか興味ありげに食う口を止めて俺を見てやがって。
「ほらほら、早く白状しなさいよ♪∨」
「〜〜〜バカか!!、冗談じゃねぇ!!#、こんなくだらねぇ茶番に付き合ってられるか!!#」
腹の底から沸き上がってくる怒りに、イスから立ち上がって怒鳴った俺を全員が動きを止めて見上げて来やがる。
「あ、ちょっと、どこ行くのよ。主役がいないと盛り上がらないじゃない」
「バカか!!!#、何が主役だ!!!#。これじゃまるっきり見せ物だ!!!#。くそっ!!!#」
「うっ!//////w。Mr.ブシドーっ!!//////w」
席を離れようと歩き出した時、後ろからしたビビの声に振り向いてビビに目を向けると、"こんな場に自分だけ置いていくな"って焦った表情のビビが縋るような目で俺を見ていて。
「〜〜〜〜〜っっ!!w。ほれおめぇも来い!!」
その顔に何かを掻き立てられて、仕方無く連れて行く為にビビの腕を掴んだ。
「おっと!。ビビ!、あんたは行っちゃダメよ!。主役が二人とも消えちゃ盛り上がらないじゃない!♪」
「あっ!?w。ナっナミさん!?w」
(!?w)
掴んだ腕を引いてビビの尻がイスから離れた時、ビビの向こう側の手首をナミが掴んで。
(……ちっ!w、くそっ!w)
「あっ!!w、Mr.ブシドー!!w」
仕方無く、逃げるなら自力で逃げろと、ナミにゃ逆らえねぇビビの腕を放して、一人でドアに向かった。
「なによゾロ。お酒いらないのー?。高級ワインなのにぃ」
「要らねえ!!!###」
「おらあクソマリモ!!!。てめぇビビちゃん泣かせるようなマネしやがったら、俺が三枚オロしにしてやるからな!!!」
「うるせえ!!!###、知るか!!!###」
今日はいつも以上にムカつく魔女とクソコックに怒鳴り、ドアを壁に打ち付け開けて外に出て、またそのドアを叩き閉めた。
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