原作サイドパラレル─真章─

□二日目 ナミside
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「…ねぇ、ウソップ、チョッパー」
「んあ?」
「なんだ?、ナミ」
キッチンの窓からゾロとビビの様子を見ていて、なんとなく。
「ゾロとビビって、くっつけば案外いいカップルになると思わない?」
そう思って、側にいたウソップとチョッパーに訊いた。
「ゾロとビビ?」
「なんだ?、急に。なんでゾロとビビなんだ?。ナミ」
「ん〜、まぁ今窓から見てて思っただけなんだけどね。でも案外お似合いじゃない?、あの二人って」
「ゾロとビビがか?。…ん〜…まぁ剣士とお姫さんって事じゃ似合いな気もするが…」
「髪の毛の色も似てるしな」
「うん、まぁ見た目的にもだけど、内面的にもよ。ビビはしっかり者だけどちょっと天然で抜けてるし、ゾロもわりと天然な所あるじゃない?」
「ああ、方向音痴なとことかな」
「たまに素でボケるしな」
「でもゾロってしっかりしてる所はしっかりしてるし、それにビビはたまにゾロにも怒鳴る事があるけど、ゾロはビビには殆ど…と言うか全然怒らないし。あのマイペース剣士をちゃんと誘導出来るのは生真面目なビビくらいな気がするのよね」
「…まぁ…、言われてみればそうだよな。ビビが怒鳴ってもゾロはお前の時みたいに反論しねぇし…。それにビビの事はかなり女扱いしてる気もするな、そう言えば」
「おお〜、人間の恋愛かぁ〜//。そうだな、ゾロとビビなら結構お似合いな気がするぞ」
私の言葉に顎に手を当てて同意してするウソップと、表情を輝かせるチョッパー。
「でしょ?。ビビだってもう反乱も、国の滅亡も気にしなくていいし、次は恋愛に気を向けてもいいと思うのよね」
その二人の反応に自分の考えの正解を認めて、ビビが船にいる今の内にかわいい妹分に女の幸せを教える計画を頭の中で組み立てる。
「でもよ、ナミ。ビビは一国の王女なんだぜ?w。それを海賊とくっつけさせるのもどうかと思うんだがよ…w」
「あらウソップ。勇敢な海の男を目指す人間が随分小さい事言うのね」
「小さくねぇよ!!w、大問題だろーが!!w。てか今何気に俺を小さい人間扱いしやがったな!!?###」
「まぁまぁウソップw。でもナミ⊃。ウソップの言う事も一理あるぞ…w。俺はトナカイだからよく解らねぇけど、人間はそういうのうるさいんじゃないのか…?w」
頭の中で計画を立ててる最中に横から言って来たウソップに返した言葉で憤怒したウソップを宥めるチョッパーが、私に顔を向けてきた。
「なに言ってんの。そんな事言ってたら恋愛なんて出来ないわ。一つ二つの障害があってこそ、恋愛の醍醐味が味わえるんじゃない」
「……そういうもんかな…w。俺よく解らねぇや…w」
「そういうものよ。それにビビがゾロの面倒を受け持ってくれれば、私の苦労が一人分減るのよ」
「「………w。…お前、自分の為かよ…w」」
一番年上のくせに意外になんてもんじゃないくらいアテに出来ない脳筋バカ剣士は、ルフィと合わせて私の二大頭痛の元なんだから、ビビが船に乗ってる間だけでもその片方を面倒見ててもらいたい。
ルフィを任せたら、あの子の事だからルフィのペースに巻き込まれて(むしろ同調して)余計に私の手間が増える気がするから、なんとかゾロを任せようと、心の中で意気込んだ。
「でもどうするんだ?。恋愛はお互いが好きって気持ちが湧いて初めて成立するんだろ?。ゾロもビビもお互いの事意識するようになるのか?」
「う〜ん…、まぁ問題はそこなのよね…」
チョッパーの正論に、窓の外の二人を見る。
「今いい雰囲気なのもただの仲間だからゾロもビビに付き合ってるんであって、お互いただの仲間意識だし、お互いがお互いをどう思ってるのかは解らないけど、二人とも恋愛観念は薄そうよね…。ビビはまだ恋愛には気が向かないみたいな、ある意味子供だし、真面目なビビが仲間から恋人候補に思考を変えるか…。それにビビ以上に、あのゾロをその気にさせるのは最も難題かも…」
「確かに…。ゾロはほんとに女に興味ないって感じだもんなぁ。あいつ見た目じゃ女を選ばなさそうだし、…上手くいく可能性低いんじゃねぇか…?」
「…う〜ん…。でもゾロはビビの威勢や度胸を評価してたみたいだから、そっち方面から目が向けば可能性は出てくるかも。まぁ取りあえずやれるとこまでやってみましょ。先ずはビビにゾロを男として意識させる。そして告白よ。ゾロだって男なんだから、女の子に好意を向けられて迷惑って事はないでしょ。お互い意識しあうようになればゴールは間近よ」
「…そんな上手くいくかねぇ…w」
「ダメなら諦めるわよ。ま、ビビがゾロを意識するかどうかよね。ビビに恋の芽が出ないんなら、私もそれ以上はなにもしないわ。恋愛は強制するもんじゃないんだから」
「ああ、まぁ頑張ってくれ。俺はそういう事には協力はしねぇからな。結果だけで十分だ」
「ええ、そうしてくれた方が助かるわ。下手に手を出されるとややこしくなるから」
「じゃあ俺も上手く行く事だけ願って見てるだけにするぞ」
「ええ、そうして頂戴。いよーし!。なら今晩にでもビビを焚き付けてみましょ。あ、言っとくけど二人とも。今の話は絶対サンジくんには内緒よ。サンジくんが知ったら、それこそ纏まるものも纏まらなくなりそうだから」
「…確かに…w。ビビとゾロがくっつくなんて知ったら、烈火の如く反対するだろうからな…w」
「うん…w。サンジには絶対内緒だな…w」
納得してまたそれぞれの作業に戻った二人から、また窓の外、またなにか会話し出した二人に顔を向けた。


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