─原作サイド─

□雪山
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「お前ら何やってんだよ?、こんな所で」
「「それはこっちのセリフだーっ!!!w」」
「?」
雪の中から急に出てきて、しかもズボン一枚穿いただけの体を腕で抱き込みながら私達に訊いてくるMr.ブシドーに、ウソップさんと怒鳴って、
「それにMr.ブシドー!!、あなたどうしてここにいるの!?w。足の傷が治るまで船から降りないでって言ったでしょ!?w」
思わず訊いた。
足の傷が悪化しないように船に残った、正確には私が残らせたMr.ブシドー。
なのに今ここにいるMr.ブシドーに、約束もしたしカルーにも見張りをさせていたのにどうしてと、思わず声が荒いだ。
「ああ、あれならもう治った。ほれ」
「………」
体を抱えたまま片足を上げて見せてきた足首。
雪の冷たさに赤くなってる裸足の足の上、私が船を降りる時にはちゃんと巻かれてあった包帯は、今はその足には無くて。
そこにあるのは一本引かれた傷跡。
私が縫った糸ももう抜いてあるその傷跡は、完全に塞がっているみたいに見える。
「カルーにも見せて承諾済みだ。治ったから船を下りた」
「…もう塞がったの…?w。この前怪我したところなのに…w」
リトルガーデンからこのドラム島に着くまでたった数日。
その数日で完全に完治してる傷跡に、茫然と唖然の混ざった気持ちでMr.ブシドーに訊いた。
「鍛え方が違うからな。あの程度の傷、数日ありゃあ治っちまうよ」
「………w」
自信ありげに奥歯を見せながら言ってくるMr.ブシドーに、ほんとにこの彼の体はどうなってるんだろうと思う…w。
「だけどもまぁ雪崩に巻き込まれて生きてた上に、こんな広い雪山で無事に合流出来たって事は、運は俺達を見放してねぇって事だな」
「………つうか、お前マジでその顔はなんだよ…」
(Σw)
二つも起こった幸運に気持ちも和らいでいると、急にMr.ブシドーがウソップさんの顔の理由を深く訊き出して。
「ああ、これか。こりゃあ霜焼けだ」
「霜焼けだぁ?。その腫れがか?」
「ああそうだ。さっきの雪崩で雪に埋もれたから、霜焼けになっちまったんだ。なぁ、ビビ」
「えっ!w。あっええっ!w」
(ほ…w)
急に振られてちょっと焦ったけど、どうやらウソップさんはさっき私がついた嘘を完全に信じてくれてるみたいで。
バレて責められる事はもう絶対ない事を確信して、内心で安堵のため息を吐いた。
「ふ〜ん…。霜焼けねぇ…」
(う…っw)
気持ちの籠もってない言い方で言ったMr.ブシドーの小さな点の黒目が疑うような目つきと一緒に私に向いてきて。
私から目を離さないMr.ブシドーに、あの目は私を疑っている目だと解るw。
あのウソップさんの顔の腫れが霜焼けじゃなく、私が何かした為の腫れだという事を疑ってる目w。
「そうさ。俺様はお前やルフィと違って繊細だからな。軽い霜焼けでもこんな風に腫れ上がっちまうんだ」
「……。ふぅん…」
「ほっほらウソップさんっ!⊃⊃。Mr.ブシドーもっ!、あの雪崩に遭っても無事に生きてたんだから良かったじゃないっ!⊃⊃。もう行きましょっ!?⊃⊃。早くドクターくれはを探さないとっ⊃⊃」
「ドクターくれは?。そいつがこの島の医者なのか?」
嘘が危なくなって来たから慌ててウソップさんを促して、私の事を疑ってるみたいなMr.ブシドーはそれでも何も言わずに、私の促しに表情を元に戻した。
「おう、そうだったな。行くぜゾロ。説明は歩きながらするからよ」
足を進めたウソップさんに、私、ウソップさん、Mr.ブシドーと横に並んで歩く。
(………。ナミさんって精神的疲労で倒れたんじゃないかしら…w)
ウソップさんの説明が終わって今度は自分がここにいる理由を話し出したMr.ブシドーの、やけに饒舌な、そしてマイペースすぎる内容の説明に、ナミさんの熱はルフィさんとMr.ブシドーの面倒見てる心労が原因なんじゃないのかと思いながら、今度はウソップさんに着るものをせびりだしたMr.ブシドーと、それを拒否するウソップさんの掛け合いを聞きながら雪山の中を歩いた。


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