短編

□特別
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燈「艦長…。」
小「ん?あぁっ!!燈!!」
燈って人前で呼ぶな、そう注意して早15回。
全く直す様子を見せないその男こそ、この俺、膝丸燈の恋人である小町小吉。
筋肉質な体格そのままに力も強く、逞しい。
ミ「艦長。」
彼女はミッシェルさん。
副艦長だ。
ミ「うるせぇ。」
そして誰より勇ましい。笑
小「すいませんっっっ!!」
彼は誰よりへたれだ…。
多分。
燈「(部下に一蹴される上司ってどうなんだよ…、)」
ミ「んで、燈、お前は艦長になんの用だったんだ?」
燈「え、あ…、艦長のあほ面見たら忘れました。(ドヤッ。」
いや、忘れるわけも、忘れられる訳もなかった…。
今日が、艦長の、小吉さんの誕生日だなんて。
おめでとうと、言いにきただなんて…。
燈「あー…、思い出したらまた来ます。んじゃ、またー。失礼しました。」
何事もなかったかのように艦長室を出ようとするとミッシェルさんから声をかけられた。
ミ「燈、お前今から暇か?そうか、暇か。よかった。私はこれから用があるから艦長の世話を頼みたい。あぁ、引き受けてくれるのか。ありがとう。お前は本当に良い部下だな。」
マシンガントークをされて、返答に困っている間にミッシェルさんは出ていった。
え、うそやーん。←←←←
小「えーっと…?
で?うちのかわいい燈くんは、オレに何を伝えたかったのかな?」
にやにやしやがって…、
燈「べ、つに…、忘れました。
それに、艦長「燈。名前。」え?」
小「俺の、名前呼んで?燈。」
小吉さん、その名前を口にするだけで顔が熱くなって…。
恥ずかしくて、言葉が出なくて。
燈「しょ、きちさ…ん。」
小吉さんの腕を引いて耳元に俺の唇を寄せてそっと囁いた。
燈「小吉、さん。誕生日、おめでとうございます…。」
その言葉と共に耳元から、唇を離し小吉さんのそれに掠めるように触れた。
小「あっ、燈!?」
燈「今日、だけ、特別なんだからな!!」
捨て台詞のような言葉を吐いて俺は小吉さんのいる部屋から飛び出したのだった。
そのとき小吉さんの顔が、緩みきっていたのはまた別の話。

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照れると敬語外れる燈かわいいよ。←

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