舞姫

□1.新学期
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「…あの…私、卯月先輩のことが……好きです!!……私と付き合ってください!!」


 数日前に新学期を迎え、新しいクラスメイトの顔を覚える間もなく"僕"は知らない女の子から呼び出された。




 場所は人通りの少ない体育館裏の大きな木の下。告白にはもってこいの場所。"僕"がゆっくり歩いて行くと、うつむいていたその子は顔をパッとあげると顔を真っ赤にしてどうしたら良いかわからないといった顔をした。


『えっと…君かな?』


「は、はい……!わざわざお呼びしてすみません…!」



 その子は上ずった声でそういうと暫く黙り込んだ後---冒頭の言葉に至ったのだ。そして、また下を向いて黙り込んでしまった。




 
 見たところ1年生かな。まだ制服が真新しいし、顔もまだあどけなさが残ってる。



 きっと、精一杯の勇気を振り絞ってここに来たんだろうな---足も震えて今すぐ逃げ出したいって言っている。


 そんな健気な子に"僕"がかけてあげられる言葉は1つしかない。
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