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□終わらない世界 非
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『──ご主人』

ハッとして、立ち上げたままのPCにからだごと目を向ける。

「─なんだよ、エネ」
心配です、とらしくもない顔をしながらエネははっきりとした声で言った。
「──お前には、関係ないっ・・・!」
『──でも・・・』
ああ、鬱陶しい。今はひとりにさせてくれよ。
頼むから黙ってくれよ。
『──そのままじゃあ、明日は見えないままですよ?』
ドクン、と鼓動が跳ねた。
どこか触れられたくないとこを触れられたように、心臓がバクバクと音をたて、唸りをあげる。
「──・・・っ、黙れ!」
声をあらげ、ビクリとしたエネを冷たい瞳で見つめる。
「──いい加減、喋るだけの玩具(おまえ)にはうんざりだ。」
無表情で、エネの首を液晶画面越し掴んだ。
酷く生暖かい画面に不愉快を覚えた。
『──グッ、アッ・・・ご、しゅじっ・・』
黙って手の力を入れていく。
「──喋るだけの玩具はもう、飽きた」

紅い目をしたエネは俺をまっすぐ見つめ、『やっぱり変わんないね、伸太郎』
息を、静かに止めた。



パリン、と砕ける画面。
たいして驚かない俺は、きっとこうなることがわかっていたんだろう。
暫くその場で固まっていると、クスクス、と不気味な声が何処からともなく聞こえた気がした
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