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□Re: 0
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もう寝よ、と目を瞑る。
思い浮かぶのは、いつも笑っていたカノさんの顔。
何度も不安、後悔、憎悪、恐怖、全て隠しとうして笑っていたカノさん。
小さい身体に押さえつけて、苦しむ姿に誰も気づけなくて。
涙が出そうになったとき、ふいにメールの着信音が部屋を震わせる。
たしか、電源は切っていたはず・・・・と、画面を見ると、そこには心配そうなエネの顔が。
『ご主人・・・カノさんから、メールですよ・・・・?』
ガバッと身体を起こす。クラクラと舞う視界なんか気にしない。
メールの画面を開いた瞬間、堪えていた涙がこぼれ落ちた。

Re:0
本文:シンタローくん。
今日は紅く光る、月が綺麗だね。
もしかしたら もう欠けてるのかもしれないね。
さて、これから言うのは6つのハリボテの物語。
ひとつ。
僕はいま、とっても綺麗な場所にいます。
ふたつ。
僕はいま、フェンスを飛び越えました。
みっつ。
僕はいま、靴を脱ぎました。
よっつ。
これを読んでる頃には、きっと僕は
いつつ。
この世にはいないでしょう。
むっつ。
ただ一言でいうなら、僕はシンタローくんが

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