短編
□怪物
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世界は どこまでもオーバーだ。
騒がしい夜の景色はまるで宇宙にはそぐわなくて、別の空間地帯に飛び越えた人間の欲を熱唱する息は荒い。
そんな世界に飽き飽きしながら、少しにやけたり、なんて。
今日はそんな世界に生み出された、僕の日。
どこまでも僕を嫌った、あの人が生み出した罪深き夜。
どうしてか、僕にはたくさんの顔があるわけで。
"偽り"と"真実"はどうしてか"偽り"のほうが得意で、笑い咄がいちばん得意だったっけ。
叩かれても笑い、蹴られても笑う。
そんな僕を、あの人は『気持ち悪い』と嘲笑う。
誰も本当の僕を見てくれない。誰も本物を探してくれないんだ。
『あんたなんか、生まなきゃよかったっ!』
なんて、そういえばこどもの頃よく聞いてたのをよく覚えている。
嗚呼、ちょっと喋りすぎちゃったね。
これはただの法螺咄
嘘かほんとか 君にはわかりますか?
もしわかるのなら それは
心の奥に しまってよ
end