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□終わらない世界 非
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8月15日、00:32
いつも通り、エネの妨害を軽くスルーしながら行う音楽製作やらネットをする手を止め、布団へと潜り込んだ。
暗闇の中小さく鳴る電子音以外になにも鳴らない暗闇の部屋は、無機質に俺を不安へと苛む。
今はもういない君の後ろ姿を、手を伸ばし必死に取り戻そうともがき、苦しむ。
毎日毎日それの繰り返しで、一向に改善されない日々を『仕方ないか』と誤魔化していく。
「・・・もう寝よう」
やや急ぎ足でベッドへ近づき、死んだように倒れ込む。
不安をかきけすように目を閉じても、思い浮かぶのは君の姿。
『もういいや、ばいばい、シンタロー』
きゃっきゃと笑いながら走り去っていく君の背中を追いかける。
いかないで 、いかないで
寂しいこと言わないでよ
自然と、口から溢れたのは君の名前

「・・・っ、アヤノ・・・!!」
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