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□51418701万回目の空
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───おはよう
空は青く、ジリジリと太陽が空を覆い尽くしていく。
炎天下に軽く目眩を覚えながら、君とたわいもない話をしていた。

さっき見たのは、きっと夢。
暑さに頭がどうかして、"君を失う"なんてこと考えて。
ぼんやり思考にふけっていると、突然ヒヨリの膝上で眠っていた猫が飛びおり、先にある横断歩道へと走り出した。
チカチカ点滅する信号機は"急げ"って笑っていて、ヒヨリは急いで走り出した。
───どこか似ているこの世界に気づいた瞬間、目にうつったのは"赤く染まった信号機"。
「ヒヨリ・・・・っ、待っ────ぁ」


8月15日

そんな夢を思い出した


突然来たトラックは、急ブレーキを踏んでも止まらない。
気づいた頃には遅い、むせかえる鉄の臭いがあたりに飛び散り、君はもういなくなった。
陽炎が揺らめいて、僕と君のあいだでニヤニヤ笑っている。

嗚呼、空がきれいだな
蝉の鳴き声と共に、意識が薄れ行くのを感じた。
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