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「あいつがっ・・・・裏切りやがった・・・・っ!!」
ドン、と鈍い音が壁を鳴らす。
キドさんは、ひどく苦しそうな表情で歯をくいしばる。
重苦しい空気が部屋に漂い、みんな視線は足元に泳ぐ。
俺はただひとり、カノさんが寝ていた部屋を呆然と眺めた。


事件から一週間。
俺はあれ以来、メカクシ団に行くことはなかった。
PC、携帯の電源をきり、なるべく外とのコミュニケーションを立ちきった。
妹のモモは頻繁にメカクシ団へ言っているが、そのときに適当な理由を並べては俺が行かないワケを誤魔化してくれている。モモには結構迷惑をかけていると思いつつも、メカクシ団へ行く気がしない。
そもそも、なにもやる気がしない。
生きるための必要最低限の動きはしていたが、食事はまともに食べれず、ただただ吐き気が襲う毎日。
今も、強烈な吐き気を治めるために洗面所へ直行中。
昨日はなにも食べていなく、胃のなかはカラッポで胃液しか出てきやしない。
軽く水でうがいをし、自室に戻る。
途中でキッチンにより、冷蔵庫にある冷えたペットボトル飲料を持っていくのも忘れない。

ドサ、とベッドに倒れこむ。
出てくるのは溜め息ばかりで、ひたすら憂鬱感に苛まれる。
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