ぽけもん

□冷たい翼
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「くっ……」


野生のポケモンとの戦闘で体に傷を負ったエアームドが森の奥で倒れていた


「…これまでか…」



エアームドは軽く目を閉じた





しばらくして…


「……ん…」


エアームドは違和感に気づき目を覚ました
ちらっと横を見ると人間の女がいることに気づき離れようとした…が


「…くっ…」

『! 気づいたの?』


体の痛みがひどくて動けない状態だった


『あ、怪我してるんだから動いちゃダメだよ』

「うるさい!俺は自分の家に帰る!人間が近寄るな!」

『自分だけで帰れる?着いていこうか?』

「お前の力など借りなくても……は?」


女の子はふにゃっと笑っている


「……お前…何者だ…」

『この森の隣の街に住んでるユンカだよ』

「ユンカか…なぜ俺の言葉が分かる…?」

『なんでだろね。私に物心ついた時から会話出来るんだ』

「…ふん、どうでもいい会話をしてしまったな、じゃあな」


エアームドは立ち上がり、森の更に奥の方へ歩いて帰っていこうとする
鳥ポケモンの命とも言える翼を使わずに歩いていた


『ま、待ってよ!』


ユンカは走ってエアームドの前に立ちふさがる


「…なんだ」

『…飛べないの?』

「怪我してるから当たり前だ」

『そんなんでまた他のポケモンに襲われたらどうするの!?』

「そん時はそん時だ…お前には関係ない…」


そしてエアームドはユンカの横を通り過ぎようとすると

ユンカはそのままエアームドを抱き寄せた


「なっ…んだよお前は…!」


エアームドは怪我が響いてユンカを振りほどくことが出来なかった


『じゃあ行かせられない!』

「は?」

『あなたの家族が家で待ってるとか?』

「…家族などいない」

『1人で住んでるんだ?』

「だったらなんだ」

『私の家においで!怪我治るまでいなよ』

「野生のポケモンが人間の家になど…ッ…!!」


ユンカはパッと手を離した


『無理しないで…ね?私とエアームドはもう、関係なくないから』

「何を言ってる…?」

『だってこうやって出会っちゃったんだもん、関係ないってことはないでしょ?』

「……チッ…」


エアームドは何かに納得をしてユンカについていくことになった







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