milacle
□case3,負傷
2ページ/3ページ
最後の患者をテントから運び出した直後、辺りは眩いばかりの激しい光に包まれた。
そしてその直後、凄まじい衝撃と爆風と熱風が辺り一面に広がった。
どうやら、医療活動をしている医師団がテロリストの標的にされ、爆撃と攻撃を受けてしまたようだ。
特に朝田先生のいたテントの周辺が酷く、見るも無惨に崩壊していた。
逃げる暇などなかった。
その下敷きになって身動きひとつできない朝田先生の怪我は、それは酷い状態だった。
左頭部から出血してすでに右半身に麻痺の兆候が見られており、出血の多さから腹部大動脈と内臓の損傷が強く疑われていた。
それよりも、1番助け出した人たちを驚愕させたのは、朝田先生の胸部を貫通していた2本の鉄骨だった。
呼吸やチアノーゼの状態から、肺と心臓に何らかの悪い影響を与えていることは確かだった。