救命医と胸部心臓外科医と脳外科医と小児外科医と…
□Kalute7,研修医24時
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その途端に、4人に向かってフラッシュが目を開けていられないくらいに光る。
そして、レポーターの女性が4人にマイクを向けた。
「今回は当局の取材を受けてくださってありがとうございます。最初にお伺いしたいのですが、あなたたちの自己紹介を聞かせていただけますか?」
今更それかよ・・・・・
とのど元まで声が出かけたが、それを唾と一緒に必死に飲み込んだ。
進藤「進藤です。救急救命医を目指すことをすでに決めています」
南方「南方です。僕は脳外科です」
西條「西條です。僕は小児外科です」
朝田「朝田です。僕は、胸部心臓外科医を目指しています。将来は拡張型心筋症に対するバチスタ手術をしたいと思っています」
4人は揃いに揃って、なぜこんなにも難しいところに行くのだろうか?
確かに若いうちから外科の経験を積むことは大切だ。だけど、脳外や心外や小外や救命なんてすべての診療科の中でもリスクを伴うし、キツイしより高い技術と臨機応変さを要求されるところである。
それをわかって言っているのだろうか?
それに、記者たちを1番驚愕させたのは、朝田の言ったバチスタという言葉である。
「朝田さんにお聞きします。なぜ、そうお考えになられているのでしょうか?」
朝田「これまで、拡張型心筋症に対する有効な治療法は心臓移植しかないとされてきました。ですが、実は1980年代頃から、外国ではすでにバチスタ手術は行われていたんです。まだ多くの国で異端であるとか執刀医に対して要求される医療レベルが高いとかで浸透していませんが、もしこの治療が日本でも可能になれば、多くの命が救われることになるでしょう」
「それを可能だと思われているのですか?」
朝田「現時点では、まだわかりませんが、1人ではできないので、今後チームができればそれも可能になるかと思います」
それから普段の病院の様子などを撮影し、ようやく開放されたのはもう日が落ちたあとだった。