milacle
□case 8,よい兆候
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それから数ヶ月が過ぎていった。
その間も朝田先生の意識は戻ることはなく、依然として脳波も動き出さなかった。
ベッドの上に体を寝かせ、両腕はその横に力無く添えらていた。
その両腕には数本の点滴の管が繋がれており、規則正しい呼吸音が部屋に響いていた。
脈も血圧も呼吸も安定している。
それなのに、朝田先生の脳波だけは静かだった。
血流はしっかりと全身を循環しているし、サチュレーションも安定している。
それなのに、なぜ朝田先生は目を覚まさないんだろう?何かが足りないんだろうか?足りないとすれば、何をすればいいんだろうか?